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邪見のボヤキ⑩


殺生丸様の云わんとする処は読めておる。
一段と強くなっている瘴気から、りんを(琥珀はついでじゃ!)遠ざけよとの御意向じゃ。
りんを戦場に置いてたら、何時、また、トバッチリを喰うやも知れん。
そうなる前に安全な場所に避難させねば!



りんが、「でもっ・・・」と抗議する。
それを、「わからんのか、貴様ら二人は闘いの邪魔なのだ。」と強く諌めて黙らせる。
そしたら、琥珀が、「邪見さまは?」と聞いてきおった。
ククッ・・・琥珀め、痛い処を突いてきよる。



確かに、儂は、あ奴よりも非力じゃ。
琥珀は、退治屋の倅(せがれ)だっただけあって、色々と役に立つ。
鎖鎌を使って戦う事も出来るし、りんの食料集めや、薬草の知識云々(うんぬん)、他にもアレヤコレヤ・・・と。



イヤ!それにしたって、近頃のあ奴は、どうも年長者に対する尊敬の念が足りん!
この奈落との戦闘が終ったら、儂が、篤(とく)と説教してやるわい。
りんと琥珀が、それぞれ、防毒面を、退治屋の娘と法師に渡しおった。



用が済んだなら、サッサと、此処から抜け出すぞ。
儂にさえ、瘴気が、ドンドン強くなってきたのが判る程じゃ。
このままでは、人間である、りんの身に障る。



ゴオッ・・・奈落の体内から出てみれば、彼奴の体は、まだ、辛うじて球形を保ってはいるものの、今にも崩れそうな感じじゃ。
それに、ドンドン、高度が、下がっている。
このままでは、落ちるぞ!



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邪見のボヤキ⑨


さしもの奈落も、爆砕牙の途轍もない破壊力が、これ以上、波及しないように本体を切り離しおったわ。
殺生丸様を始めとして、周囲を、グルッと犬夜叉とかごめ、法師と退治屋に囲まれていると云うのに。
奴め、一向に堪えた素振りも見せん。



辛うじて爆砕牙の破壊を免れた体と頭部のみで、一体、どう対抗する積もりなんじゃろう???
ウゲッ! 彼奴め、又も変化しおった!
どうやら、心を、完全に四魂の玉に喰わせたらしい。
今迄とは、全く顔が違う。



筋々の入った仁王のような憤怒の表情。
頬には殺生様のような妖線が一筋。
妖怪特有の尖った耳。
ウネウネとうねっていた黒髪は、色を無くし、ゴワゴワと硬そうな感じに変わりよった。
ともかく、見るだに怖ろしげな鬼のような風貌じゃ。



それに周囲に浮かんでいた十字形の盾も変形させおった!
なっ、何なんじゃ、あの、あばら骨を大きくしたような薄気味の悪い装甲は???
殺生丸様が、お側にいらっしゃらなければ、トットと逃げ出したくなるような不気味さじゃ。



ウオッ! 奈落め、瘴気の塊をボコボコと幾つも作り出して、それで攻撃してきおった。
犬夜叉めが、刃型の冥道残月破で、瘴気弾を切り裂いて防御じゃ。
ムムッ・・・何時の間に、球形から、あんな形に変化したのじゃ?
そう思って見物してたら、今度は、何と、下の方から瘴気弾が!



すかさず、殺生丸様が、「くだらん。」の一言と共に、爆砕牙で、それを破壊される。
フフン、流石は我が主、殺生丸様!
何時もながら、お見事で御座いますぞ!



「邪見!」 殺生丸様が、鋭く儂を呼ばれる。
「奈落の体から出ろ。」(待ってました、その御言葉!)
矢継ぎ早の指示に、主の意図を、素早く読み取る儂。
これぞ長年の間に培った阿吽の呼吸じゃ。



主従とは、須(すべか)らく、儂と殺生丸様のように、“以心伝心”が出来てこそ本物なのじゃ。
その点、琥珀なんぞは、儂に比べると、まだまだだな。
この肝心な時に、呼んで頂けないのが、その証拠じゃ。
ウムッ、やっぱり、儂って、僕(しもべ)の鏡!


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邪見のボヤキ⑧

冥道残月破
向かう処、敵なしの殺生丸様の爆砕牙!
肝心のりんを救出した今、封印しておく必要も御座いません。
敵は、あの卑劣極まりない奈落、殺生丸様、思う存分、やっつけて下され!



ガガガガガガガ・・・・爆砕牙が、奈落の体を破壊していく。
衝撃音が周囲に鳴り響く。
我が主の進まれた後に道が開けていく。
最早、先は見えているのに、奈落め、まだ、抵抗するか。



触手が、殺生丸様に向かって、バキバキと伸びてきた!
「ふっ、奈落・・・まだ、あがくか・・・」
殺生丸様が、そう一言仰るやいなや、爆砕牙を一閃!
切り捨てられる触手、見る間に破壊されていきおる。



オオッ、見えてきたぞ! 奈落の本体じゃ!
犬夜叉めが、かごめがおる。
ウン?彼奴らが乗っているのは変化した七宝か。
法師に退治屋の娘も一緒じゃな。



奈落の中心部にまで拡がってきた爆砕牙の破壊効力。
周囲に衝撃音を鳴り響かせ、ドンドン、奈落の体を破壊していく。
実に凄まじい、その破壊力。
このまま放っておけば、奈落自身をも破壊するじゃろう。
ウオッ!なっ、何と、奈落め、遂に堪らず、自分から体を切り離しおったぞ!



不気味な奴じゃのう。
頭部のみになっても、まだ生きておる。
周囲に十字形の杭のような物を張り巡らして浮かべておる。
さしずめ、防御の盾と云った処じゃろうか?


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邪見のボヤキ⑦

お仕置き主従
バキッ! 懐かしい殺生丸様の足蹴りを頂戴した儂。
気が付けば、阿吽の背に乗っておるではないか。
りんや琥珀も一緒じゃ。



「邪見さま、来てたの?」・・・(来て悪いか!大体、りん、お前が、曲霊に拉致されるから悪いんじゃ!)
「どうされてたのですか?」・・・「やかましい!」(琥珀め、独り寂しく彷徨ってたなんて云えるか!)



何は、ともあれ、そうか、やはり、救出されておったのじゃな、りん。
流石は、殺生丸様、やる事なす事、水際立っておられる。
トトッ、こうしてはおれん!
先を行かれる殺生丸様を、力一杯、応援せねば!



ドッカン! ドッカン! ガガガガガガガ・・・・・
行く手を阻む奈落の触手を、爆砕牙で盛大に破壊しながら、我が永遠の主、殺生丸様が進まれる。



ソ~~レ、ソレ、ソレ、邪魔する者は、容赦なく破壊してくれようぞ!
どけどけ!道を開けよ!
戦国最強の大妖怪、殺生丸様のお通りじゃ!



それにしても、何という、爆砕牙の破壊力の凄まじさじゃ!
奈落の体内の崩壊速度が、一気に、速まっておるではないか。
如何に巨大な奈落の体内とは云え、爆砕牙の破壊効果が、このまま進めば、完全に崩壊するまで、大して時間は、かかるまい。

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邪見のボヤキ⑥


アウッ! アチッ! アチチッ!
急に瘴気がアチコチから溢れ出すようなってきた。
一体、何が起きているんじゃ???



それにしても、七宝も琥珀も阿吽も、何処におるんじゃ?
こんな事なら、あの楓とか云う年老いた巫女の村で、大人しく待っておれば良かったかのう。
奈落の体の中に入ったと思ったら、いきなり触手で、阿吽から弾き飛ばされてしもうた。
周囲は気味の悪い肉塊だらけじゃ。
(奈落の体内なんじゃから当たり前か・・・)



こんな不気味な処で、儂だけ独りなんて・・・・。
寂しい~~~~心細い~~~~誰ぞ、おらんのか~~~~???
そう心の中で嘆いておったら・・・・。
ンンッ、辺りが、突然、騒がしくなってきおったぞ!
「ドワッ!」 足許の肉塊が、いきなり崩れた!破壊された!
どっ、どうなっておるんじゃ~~~???



ガガガガガ・・・・瘴気の音ではない。
これは、物体を破壊する衝撃音。
もしや・・・・と思い、音のする方に目を向ければ。
オオッ! 見えて来たのは、我が永遠の主、麗しくも怖ろしい殺生丸様ではないかっ!!!



『地獄に仏』とは、正に此の事じゃっ!
もう、目一杯、お星さまと涙を浮かべて、主の許に、喜び馳せ参じる儂。
「殺生丸さま~~~!」
(涙、涙、愛と感動の再会になる・・・筈・・じゃった・・・・)



そしたら、『バキッ!』と殺生丸様に足蹴にされた。
グウッ! こっ、これこそ、紛れも無い我が主の証拠。
ウウッ・・・久し振りに味わいましたぞ、貴方様の足蹴りの痛さ。
邪見、目が覚める思いに御座います。
ついでに目も廻りました。
(・・・・でも、やっぱり会えて嬉しい!)


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邪見のボヤキ⑤

ピヨピヨ邪見
奈落の玉のような体の中に入ったは良いが、中は、思ったよりも広い。
さて、これから、どうしたもんかいのう?
そんな風に、思った途端に、儂は、触手に、ど突かれ、阿吽から弾き飛ばされてしまった!



気が付けば、周りには、誰も、おらん。
七宝も、琥珀も、阿吽も、一体、何処に???
イヤ~~~~ッ! そんな、あんまりじゃ!
こんな右も左も判らない奈落の体の中で、儂だけ、独りぼっちなんて・・・。



どうしよう? どうしたら、殺生丸様の許へ辿り着けるじゃろう?
それに、此処は、一体、奈落の体のどこら辺なんじゃ???
アア~~~もう、アレコレ喚いてみても始まらん。
ともかく、この奈落の体の何処かに、殺生丸様が、いらっしゃる事は、間違いないんじゃ!



それに、りんは、どうなったんじゃろう???
まあ、鼻の利く殺生丸様の事じゃ。
きっと、早々と救出されてる事じゃろうて。
こんな不気味な奈落の体の中から、一刻も早く、脱出するには・・・・。
ウムッ、やはり、此処は、何としても、我が永遠の主、殺生丸様を、お捜しせねば!



待っていて下され、殺生丸様!
この邪見めが、必ず、殺生丸様を捜し当てて、お側へ参りますから。
それまでの辛抱で御座いますぞ!



御礼

4月18日の(5時、16時)台に拍手を贈って下さった方々に感謝致します。特に5時台の方、十連打有難う御座います。
拍手とアクセス件数が、毎日の更新の活力の【源】で御座います

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邪見のボヤキ④


首尾よく七宝と琥珀を巻き込んだ儂って、頭良い~~~なんちゃって。
フム、冗談は、さておいて、今から乗り込むのは黒い玉のようになった奈落の本体。
完全な四魂の玉を手に入れた奈落が変化した姿じゃ。



オオッ、見えてきた!
近くで見ると、何という巨大な・・・・。
こっ、これが、全部、丸ごと奈落なのか???



嘘じゃろう、こんな巨大な図体の妖怪は見た事がないぞっ!
殺生丸様の父君のお墓で、御父君の骸を拝見したが、あれでさえ、これ程、大きくはなかったぞ。
一体、どういう体の構造をしておるのじゃ、奈落の奴。



余りの巨大さに尻込みして『帰ろっかな~~』なんて考えておった儂。
七宝も、どうやら、儂と似たような考えらしい。
そしたら、目の前で、いきなり、奈落の体の一部が消し飛んだんじゃ!



七宝が、それを見て、叫んだ。
「犬夜叉の冥道残月破じゃ!」とな。
ムムッ、元々、あの技は、殺生丸様が育てた技じゃぞ!
いくら、殺生丸様が、愚弟の犬夜叉に譲り渡したとは云え、犬夜叉の、などと儂の前でほざくでないわ!



ポカッと開いた大穴、そしたら、琥珀が、「行きましょう!」と。
エエッ、このまま、奈落の体内へ乗り込むのか???
儂と七宝のためらいを、アッサリ、無視して、琥珀が、阿吽の手綱を引いて奈落の体内へ。
アア~~~ッ、どっ、どうなるのじゃ???
わっ、儂らは~~~~???

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邪見のボヤキ③

ピヨピヨ邪見
殺生丸様が、一旦、戻って、また、直ぐに飛び去ってしまわれた。
りんを守れなかった儂を、お仕置きもせずに。
・・・と云う事は、それ程、事態が、切迫しているのじゃろう。



曲霊に憑依され何処ともなく拉致された、りん。
りんの身に危険が迫っておると考えて、まず間違いなかろう。
でなければ、殺生丸様が、あんなに急がれる筈がないわい。



ウムム~~~行くべきか?行かざるべきか?
何処へって、そりゃ、殺生丸様の処に決まっておる!
儂は、あの御方の壱の僕じゃぞ。
この邪見様が、殺生丸様のお供をせんで、他に、誰が、すると云うんじゃ。



逃げないのかって・・・・りんが拉致された当初はな、チラッと、その考えが、頭を掠めはしたがな。
殺生丸様が、特別に大事にしておられる、りんを守り切れなかったんじゃ。
正直、殺されるかも知れん?なんて、思ったがな。



じゃが、よくよく考えてみたら、りんは、犬夜叉の村に預けられたんじゃ。
儂を責める前に、責められるべきは、犬夜叉達の方じゃと気付いてな。
それで、逃亡なんぞ止めたのじゃ。



今は、この先、どうしようかと悩んでおる。
四魂の玉を完成させ、これまでに無く、強大な力を有する奈落を追って行かれた殺生丸様。
従者として、そんな主の後を追って行くべきか?
それとも、大人しく此処に留まるべきか?
それが、問題なのじゃ!



阿吽が居るから、殺生丸様の後を追うのは簡単なんじゃが・・・・。
如何せん、独りでは寂しい。
行くにしても、誰か、連れが欲しい。



そう思って辺りを見回しておったら、ンンッ、七宝が、所在無げに空を眺めておるではないか!
そう云えば、あ奴、奈落を討伐する為に出かける犬夜叉達に置いていかれたのであったな。
ヨシッ!、あいつを道連れにしよう。
誘いの水を向ければ、きっと、一緒に付いて来るじゃろう。



そして、チョットしたイザコザの末に、七宝が、ついでに自分から供を申し出た琥珀も加えて、三名で奈落の許へ赴く事になった。
今、儂らは、阿吽に騎乗して、変化した巨大な黒い玉のような奈落の許へ向かっておる。
さて、どうなる事か???


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邪見のボヤキ②

お仕置き主従
殺生丸様が、お戻りになった。
りん失踪の原因を作った法師を責め立てていた最中に、いきなり、出現されたのじゃ!
吃驚して、儂は、心の臓が止まりそうになったぞっ・・・・ヒィ~~~!!!
どんなお仕置きが、儂を、待ち構えているのか?(ドキドキ)



何しろ、琥珀は、ともかく、りんは、殺生丸様が、特別に大事しておられる人間の養い仔じゃ。(冥界編を参考にしてくれ!)
その、りんを守れなかったばかりか、悪霊に憑依され、何処ぞに拉致されたとあっては・・・・。
どう申し開きをしようと、あの厳しい主に、お許し頂けるとは思えん!



老巫女と法師、おまけの子狐妖怪と儂の会話を、何時から聞いておられたのか。(気配が全く感じられんかった!)
状況を逸早く理解された殺生丸様は、そのまま、何処(いずこ)へともなく飛び去ってしまわれたのじゃ。(相変わらず説明は無い!必死で推測じゃ!)
りん失踪の責めを激しく覚悟していた儂を残して。



だが、安心してもおれん!
儂の折檻もせずに急いで飛んで行かれたと云う事は・・・・。
それだけ、りんの身に危険が迫っておるとも考えられる。



ウムム~~~どうしよう? どうしたら良かろう?
このまま、りん失踪の責めを免れたを幸い、逃亡しようか???
それとも、それとも、やはり、此処は忠義な僕よろしく主の後を追うべきだろうか???



御礼

4月13日の(6時、14時、19時、20時、22時)台に拍手を贈って下さった方々に感謝致します。
特に19時台の方は五連打、22時台の方は十連打、凄く嬉しいです。有難う御座いました。邪見視点で小話を始めましたので、この拍手を支えに頑張りマッスル

日中は、少し歩いただけで汗ばむような陽気になってきました。
でも、まだまだ朝方は一枚余分に羽織らないと寒いです。
桜が終わり、次は、ツツジがスタンバイです。
ゴールデンウィークの頃が見頃です。



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邪見のボヤキ①


りんが、曲霊に取り憑かれ、何処ぞへ行ってしまった。
もし、殺生丸様が、お戻りになったら、何と申し開きすれば良いのじゃ?
いや、申し開きどころではない! 下手すると殺生丸様に殺される!
どうしよう? 儂は、一体、どうしたら良いのじゃ?



ククッ・・・・これと云うのも、法師が、あの悪霊を風穴で吸い込んだりしたせいじゃっ!
そのせいで法師の風穴から、あの悪霊が、曲霊が、蘇ってしまった。
そして、曲霊の毒気に当たって気絶していたりんに取り憑いたのじゃ!



ようやっと、りんが気を取り戻してホッとしたのも束の間。
小川に掛かっている橋を渡っていた時じゃった。
ボウッと何やら霞のような物に、,りんが包まれたと思った次の瞬間だった。
りんは、蛇のような妖怪に乗って飛び去ってしまったのじゃ!



アア~~~考えても考えても、結局、堂々巡りじゃ。
結局、行き着く処は、同じなのじゃ。
このまま、殺生丸様が戻られるのを待って、こっ酷く、お仕置きされるか?
それとも、トットと逃げ出すか?
二つに一つしか答えは無い。



いや、お仕置きくらいで済めば、まだ良い!
りんが、曲霊に憑依されて連れ去られたなんて、もし、殺生丸様が、お知りになったら・・・・・。
儂、次の日のお天道様を、拝めんかも知れん!



【小話】
新作の作成に時間が掛かりそうなので、原作に沿った小話でもと思い書いて見ました。
邪見視点は、以前から割と書き易いので、暫く、この線で小話を書き綴ってみようかと思います。



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