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邪見のボヤキ③

ピヨピヨ邪見
殺生丸様が、一旦、戻って、また、直ぐに飛び去ってしまわれた。
りんを守れなかった儂を、お仕置きもせずに。
・・・と云う事は、それ程、事態が、切迫しているのじゃろう。



曲霊に憑依され何処ともなく拉致された、りん。
りんの身に危険が迫っておると考えて、まず間違いなかろう。
でなければ、殺生丸様が、あんなに急がれる筈がないわい。



ウムム~~~行くべきか?行かざるべきか?
何処へって、そりゃ、殺生丸様の処に決まっておる!
儂は、あの御方の壱の僕じゃぞ。
この邪見様が、殺生丸様のお供をせんで、他に、誰が、すると云うんじゃ。



逃げないのかって・・・・りんが拉致された当初はな、チラッと、その考えが、頭を掠めはしたがな。
殺生丸様が、特別に大事にしておられる、りんを守り切れなかったんじゃ。
正直、殺されるかも知れん?なんて、思ったがな。



じゃが、よくよく考えてみたら、りんは、犬夜叉の村に預けられたんじゃ。
儂を責める前に、責められるべきは、犬夜叉達の方じゃと気付いてな。
それで、逃亡なんぞ止めたのじゃ。



今は、この先、どうしようかと悩んでおる。
四魂の玉を完成させ、これまでに無く、強大な力を有する奈落を追って行かれた殺生丸様。
従者として、そんな主の後を追って行くべきか?
それとも、大人しく此処に留まるべきか?
それが、問題なのじゃ!



阿吽が居るから、殺生丸様の後を追うのは簡単なんじゃが・・・・。
如何せん、独りでは寂しい。
行くにしても、誰か、連れが欲しい。



そう思って辺りを見回しておったら、ンンッ、七宝が、所在無げに空を眺めておるではないか!
そう云えば、あ奴、奈落を討伐する為に出かける犬夜叉達に置いていかれたのであったな。
ヨシッ!、あいつを道連れにしよう。
誘いの水を向ければ、きっと、一緒に付いて来るじゃろう。



そして、チョットしたイザコザの末に、七宝が、ついでに自分から供を申し出た琥珀も加えて、三名で奈落の許へ赴く事になった。
今、儂らは、阿吽に騎乗して、変化した巨大な黒い玉のような奈落の許へ向かっておる。
さて、どうなる事か???


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