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第十一作目『みんな大好き』

今でも忘れられない・・・あの夜の事。 
おっ父やおっ母や兄ちゃん達が夜盗に殺された時の事。
いきなり、家の中に踏み込んできて刀を振り回して・・・みんな・・・みんな切り殺されたんだ。
血が、辺り一面に、血が飛び散ってて・・・。
おっ母の胸に抱かれてた・・・あたしだけが生き残った。 
怖くて怖くて息も出来ないくらいだった。 
声も出せないほど苦しくて・・・。
泣きたいのに・・・声が・・・声が出ない。 
・・・あたしは、口が利けなくなった。
生き残った・・・あたしは村の厄介者になった。  
村外れのあばら家に追い払われて。
誰もが口が利けなくなった、あたしを気味悪がって。
側に寄ろうとはしなくなったっけ。
泣く時は、声が出ないから、涙だけ流してた。
・・・だんだん心が、死んでくような気がした。
このまま・・・何にも感じなくなったら・・・。
おっ父やおっ母や兄ちゃん達の処に行けるのかな。
そんな時、あのヒトに逢った。 
一目で、人間じゃないと判ったけど、そんな事どうでも良かった。
血に塗れて倒れてた・・・あのヒト。 
お月様の光みたいな色の髪、とがった耳、着物は血で汚れあちこち破れてたけど。
・・・それでも、あんな綺麗なヒトは初めて見たっけ。
助けなきゃって思ったの。 
側に寄ろうとしたら・・・目の色が紅く変わって怖かったけど。
それでも・・・何とかしてあげたくて。 
思い切って近付いて、手に持ってた竹筒の水を掛けたの。ビックリしてたみたい。 
それから、毎日、食べ物と水を持って、あのヒトの処に通ったの。
でも・・・人間の食べ物は、口に合わないって、食べてくれなくて。
・・・大丈夫かなあ。
何か食べて欲しくて。
だから、悪い事だと知ってたけど、生け簀の魚を取って持っていこうとしたんだけど。 
見つかって・・・一杯、殴られたんだっけ。 
痛かったよ、とっても。
もしかしたら・・・ネズミやトカゲなら食べるのかな?と思って。
・・・持っていったんだけどまた「いらん」って云われちゃった。 
本当に何も食べてくれないや。
・・・溜め息が出ちゃった。
そしたら、あのヒトが、「顔をどうした?」って聞いてくれたの。 
驚いた! 嬉しかった!
おっ父やおっ母や兄ちゃん達が死んでから、誰も、あたしの事なんて気にもしてくれなかったから。
嬉しくて嬉しくて・・・。
思わずニッコリしちゃった。 
笑ったのなんて、随分、久し振りだったよ。
村外れの家に戻ったら・・・片目の妖怪が潜り込んでた。 
狼が! 村の人達を襲ってる!
片目の妖怪を捕まえた鋼牙って云う名の妖怪が・・。
・右腕の一振りで、そいつを殺した!!
そいつの命令で、狼達が、片っ端から村の人達を食い殺していく。 
逃げなきゃ!
此処にいたら殺される!
走って走って、逃げて逃げて・・・。
でも、木の根っこにつまずいて・・・。
狼達が、あたしに躍り懸かってきた処までしか・・・覚えてない。
真っ暗だった。 
何も見えない。 
聞こえない。 
暗い暗い処に、あたしは落ちてった。
気が付いて、目を開けたら、初めに見えたのは、あのヒトの金色の綺麗な目と月の光のような髪。 
アレッ? あたし・・・死んだんじゃなかったの?! 
あのヒトの側にいる小さな妖怪さんがビックリしてる。 
殺生丸さまって言うのが、あのヒトの名前みたい。 
小さな緑色の妖怪さんは殺生丸さまの下僕(しもべ)で、邪見さまって云うんだって。 
邪見さまが教えてくれたんだけどあたしは、殺生丸さまが生き返らせてくれたんだって。 
お腰に差してる天生牙って刀を使って。
不思議なんだけど、怪我が、みんな治ってて口も利けるようになってた。 
あたしの名は、りん。
それから、一緒に旅をしてるの。 
殺生丸さまと邪見さまに頭が二つある竜の阿吽と。
邪見さまと競走しちゃった。 
殺生丸さまが、おっしゃった場所に、大きな鬼が死んでる。
それも、バラバラになって。 
殺生丸様が、その鬼の首を、軽々と掴んで持ち上げられたの。
思わず、叫んじゃった! 
キャ~~~ッ!て。 
そしたら、「五月蝿い」って言われちゃった。
殺生丸さまの云う事は、絶対なの。 
りん、ピタッと叫ぶの止めちゃった。
邪見さまが、又、溜め息吐いてる。 
どうしたんだろう? 
何か気になる事でもあるのかな?
殺生丸さまと邪見さまが、何処かにでかけられるの。 
りんも一緒に行きたい。
でも、邪見さまが、言うの。 
今から行く処は、人間なんぞ、毒気で死んでしまう場所だって。
殺生丸さま・・・絶対に此処に戻ってくる? 
本当に?! 
きっと帰ってきてね!
一人でお留守番・・・殺生丸さまは、邪見さまをお供に阿吽に乗ってお出かけなの。
花を摘んで待ってたら、お戻りになった。 
殺生丸さま! 
駆け寄ろうとしたら・・・。
「りん、動くな」っておっしゃったから、ピタッと其処で止まったの。
そしたら、殺生丸さまが、フワッと跳んで持ってらっしゃる剣で樹を切り倒されたの。
ズ――――ッと後ろ向きだったから、良く判らないけど、誰かと、お話されてたみたい。
女の人だったみたい。
ジ――――ッとしてたよ、お言いつけ通りに。 
絶対に動かない。
「りん、もう動いていい。」ってお許しが出たから、片足を下ろして楽にしたの。
新しい剣は、闘鬼神って云うんだって。 
凄い剣なんだって、邪見さまが言ってたよ。
でも、鞘が無いの。 
だから、殺生丸さまの左側には寄っちゃいけないって事も邪見さまが教えてくれたっけ。 
うん、見るからに斬れそうな剣だもんね。 
りん、気を付けるよ。
 殺生丸さまと邪見さま、それに阿吽と一緒に、深い森の中を訪ねたの。 
何でも殺生丸さまのおっ父のお知り合いなんだって。 
空から声がする。 
もの凄い大木に、ボコッて顔が出てきた!
わっ、木のお化けだ。 
樹齢二千年の朴の木なんだって。 
何だか難しい話をしてらっしゃる。
犬夜叉って誰だろう? 
鉄砕牙って? 
後で邪見さまに聞いてみよう。
邪見さまに聞いてみたら、犬夜叉ってのは、殺生丸さまの弟なんだけど、半妖で、どうしようもない出来の悪い奴なんだって。 
フ~~~ン、それから、鉄砕牙ってのは、天生牙と同じ様に殺生丸さまのおっ父の牙から打ち起こされた刀なんだって。 
あんな半妖には勿体無いんだって。
殺生丸さまの弟かぁ~~。 
一度、会ってみたいな。 どんな感じなんだろう?
阿吽の背に乗って、気持ち良くおネンネしてたの。 
そしたら、振り落とされて・・・・。
アレッ、何時か、殺生丸さまと、お話してた女の人だ。 
風使いの神楽って言うんだって。綺麗だけど、ちょっと怖い感じ。 
殺生丸さまに用があるみたい。 何のお話なんだろう?
四魂の欠片を、殺生丸さまにあげるから、奈落とかいう人を殺して欲しいんだって。
・・・???
でも、殺生丸さまに断られちゃってた。
随分、怒ってたな、あの女(ひと)。殺生丸さまは、とっても強いからね。 
当てにしてたのかな。 大きな羽根に乗って帰ってった。
そんなに、奈落って人が嫌いなのかな。 
誰かに頼んでまで殺して欲しいくらい。
次に、あの神楽って女(ひと)に会ったのは食料調達の為に瓜畑の瓜を物色してた時。
いきなり現れて、攫われて目が覚めたら何処かのお屋敷みたいな処だった。
其処で初めて琥珀に会ったんだよ。 
帰らなくっちゃ! 
そう思って、戸を開けたら・・・。
怖そうな妖怪さんがウヨウヨ!! 
ピシャッ! これじゃ、とても出られない・・・。
黙ってると怖いから、琥珀に、一杯、喋りかけた。 
殺生丸さま・・・助けに来てくれるのかな?
瓜を食べながら、琥珀と、色々、喋ってたの。 
琥珀は、何も覚えてないんだって。おっ父やおっ母の事も。 
・・・・でも、思い出したくない事って・・・あるよね。
りん、今でも、夢に見るよ。 
家族のみんなが、夜盗に殺された時の事。 
まいっちゃうよね。
そんな時は、決まって、泣きながら目が覚めるの。 
思い出す度に、辛くって・・・。
琥珀って、死んだ兄ちゃんと、良く似てる。 
一番上の兄ちゃんが、琥珀くらいの年だっんだよ。
何となく、兄ちゃんと話してるような気がして、嬉しくって、他にも喋ろうとしてたら・・・・。
そしたら、急に、琥珀が灯りを消して「黙ってろ」って言ったんだよ。 
外の様子を覗いてたの。
それから、琥珀に外に連れ出されて、竜みたいな妖怪に乗って逃げたんだったっけ。
「これから、何処へ行くの?」って聞いたら、鎖のついた大きな鎌を持ち出して、いきなり、振りかざしてきたの。 
目つきが違っちゃってる!! 
どっ、どうしちゃったんだろう?!
逃げようとしたら、足が、何かに捕まって、草原に叩き付けられたみたい。 
ビッタ――ン!
その後は、気を失ってたみたいで何も覚えてないや。 
気が付いたら、殺生丸さまが見えて嬉しくて。
でも、あたしを殺そうとした琥珀も居て・・・何とも言えない気分だった。
琥珀が逃げていく。 
いつか、見た神楽って女の人の大きな羽根に乗って・・・・。
殺生丸さまと同じ色の髪、同じ色の目をした男の人と綺麗な女の人が居たんだよ。
あの人が、殺生丸さまの弟なんだって。 
邪見さまが、教えてくれた。 
愚弟なんだって。
もう一人の女の人は、愚弟の連れで、いつも一緒に居る巫女なんだってさ。 
フ~~~~ン?
あの後、邪見さまと阿吽に乗って、温泉に連れてかれて、身体を良く洗えって!?!?!
「りん、いつも、綺麗にしてるように!」って、おっ母の言いつけを守って、ちゃんと身体を洗ってるんだけど、何処か、洗い忘れたのかな??? 
別に汚れてないのに・・・?
 あれから、殺生丸さまは、何かを捜してらっしゃるの。 
何を捜してるんだろう???
邪見さまに聞いてみたら、奈落を捜してるんだって。 
あたしが攫われたせいで、殺生丸さまはお怒りになってるんだって。 
りんの為に!? ジ~~~ン。
そしたら、邪見さまがね。
「思い上がるな、馬鹿者。」って。
 「殺生丸様は、誇り高い御方だからな。平静を装ってはおられるが、あれだけコケにされちゃあ、腹の中は、さぞ煮えくり返って・・・・・」
 そこまで喋ったら、殺生丸さまに殴られたんだよ。 
でっかいタンコブが出来てたっけ。
それから、白霊山って云う大きなお山まで、やって来たの。 
あたしは、全然、平気なのに邪見さまや阿吽は、グッタリしちゃって。 
どうしちゃったんだろう?
殺生丸さまを待ってたら、アレッ!? 琥珀?! 
どうして、こんな処に居るの!?思わず、追い掛けちゃった。 
暗い洞穴の中で、やっと、琥珀に追い付いたんだけど・・・。
中には、妖怪が一杯・・・琥珀が、逃がしてくれたの。 
一生懸命、走って逃げたんだよ。
そしたら、殺生丸さまが、戻っていらっしゃってて「琥珀が居たな」と仰ったの。
やっぱり、殺生丸さま、琥珀を殺しちゃうのかな? 
そう思ったら、ドキドキしちゃって。
だから、琥珀が、りんを、洞穴の中にいた沢山の妖怪から、逃がしてくれたのって答えた。
殺生丸さま、琥珀は、兄ちゃんみたいだから、殺さないで欲しいな、お願い!
霧の立ち込める中で、吊り橋を渡ろうとしてたら、殺生丸さまが、跳んでいかれたの。
そしたらね、刀が飛んできたの。 
今まで見た事もない変わった刀で、ヘビみたいな動き。
その刀の持ち主も、変わった格好をしてたっけ。 
目の下に、青い刺青が入ってて・・・。
男の癖に、簪(かんざし)を挿してるの。 
あの殺生丸さまの闘鬼神と、斬りあいしてるのに全然負けてない。 
ドキドキしながら、見てたら、邪見さまが、「わっはっは、馬鹿な人間め。殺されてしまえ!」って。 
そしたら、その人が、怒って攻撃してきたんだよ。
ドガッ!って近くにヘビみたいな刀が突き刺さってたっけ。
邪見さまが、殺生丸さまの指示で此処から離れるのだって。 
大丈夫かなあ・・・殺生丸さま。
殺生丸さまは、凄く強いから、絶対に、やられたりしないだろうとは思うんだけど・・・。
吊り橋の真ん中あたりまで来たら、霧の中から、男の人が! 
凄く強そうな怖い顔した人。
鋭い鉤爪を両腕に嵌めてる。 
やっぱり、この人も、あのヘビみたいな刀を使う人の仲間だ。
鉤爪を振りかざして、襲ってきた! 
あわわわ! 
邪見さまが、人頭杖を使って必死に防いでくれたんだけど、危なくって!! 
遂に、火炎放射の攻撃をしたの。 
やっつけたかな?と思ってたら、橋が、吊り橋が、燃えて、今にも、落ちちゃいそう。 
たっ、大変!あの怖い顔の男の人まで、生きてた! 
橋が! ああっ! 切れちゃった! 落ちちゃう!!
気が付いた時は、男の人の腕に抱かれてた。 
あの鉤爪の男の人かと、咄嗟に思っちゃった。
でも・・・・顔が、全然、違う。 
別の人なのかなあ? 
優しそうな顔してる。
お医者さまなんだって。 
なんか、悪い人じゃないみたい。 
ついて行ってもいいのかな?
白霊山の麓の村が、その人の家だった。 
あたしみたいな子供達が、数人、家に居たっけ。
そしたら、村の男の人達が、やってきて・・・睡骨と名乗った、その男のひとが。
いきなり鉤爪で、村長らしい人を殺したんだ! 
他の人達も、あっという間に、みんな、殺された!
やっぱり、吊り橋で、襲って来た人と、同じ人だったんだ。 
にっ、逃げなきゃ!
でも、逃げようとしたら、あのヘビ刀の男の人に、捕まっちゃったんだ。 
どうしよう!?
そのうえ、あの睡骨って人が、子供達まで殺そうとして「逃げてっ!」て叫んだんだけど。
今にも振り下ろそうとしてた鉤爪を、あの人、急に止めたんだ。 
まるで・・・・。そう、まるで、誰かに止められてるみたいに。 
そうしてたら、でっかい毒虫が、飛んできて何かを伝えたんだ。 
蛇骨っていうヘビ刀使いが、殺生丸さまが来るって。 
本当に!?
蛇骨と睡骨という二人の死人(しびと)に連れられて、白霊山の麓の結界の中に連れてかれたの。
白霊山の白い霧の結界の中で、先回りしてた殺生丸さま。 
お体、大丈夫なのかな?!
蛇骨って人と、凄い立ち回りをされてるけど、血が! 
殺生丸さまが、怪我を!
ヘビのようにくねる刀を巻き込んで、一気に投げ飛ばされた! 
凄い! 殺生丸さま!!
そしたら、蛇骨って人が、睡骨って人に、言ったの。
「山から、離れるんじゃねえぞ!」って。
鋭い鉤爪が、ググッと、あたしの咽喉元に押し付けられた。
「てめえこそ、そのすかした野郎さっさと片付けちまえ!」
「俺は、このガキを殺したくてウズウズしてるんだからよ」
 怖いよ・・・殺生丸さま。 
次の瞬間、殺生丸さまが、後ろ向きに、闘鬼神を投げつけられた。
あたしを捕まえてる睡骨って人の胸に。 
丁度、心の臓の辺りに突き刺さったんだよ!
殺生丸さまは、もこもこの毛皮で、蛇骨って人の攻撃を躱し、一気に、同じ心の臓を貫いたんだ。
押さえ付けられてた腕から逃げ出し、殺生丸さまの所に、行こうとしたのに・・・・。
又、押さえつけられた。
「え・・・」 そんな馬鹿な!
心の臓を貫かれてるのに!?!
何故、死なないの?! 
それだけじゃない! 
蛇骨って人も、そうなの!?!
 「死にな!」
今度こそ、大きく、鉤爪を振りかざし、あたしを引き裂こうとする。
殺生丸さまが、蛇骨って人から、手を、引き抜いた瞬間、破魔の矢が、飛んできた。
睡骨って人の咽喉元に突き刺さった矢。 
その矢のおかげで、あたしは、助かったんだよ。
急いで、殺生丸さまの許へ駆け寄った。 
矢を放ったのは、綺麗な巫女さま。
少し、よろけながら、睡骨って人の所に、寄って行った。 
知り合いだったみたい。
良く判らないけど、四魂の欠片を取って、魂を、救って欲しいって、巫女さまに、お願いしてた。
何だか、可哀想だった。 
本当は、とっても優しい人だったみたい。 
だから、あの村に居た子供達が、逃げなかったんだ。 
信じてたんだ・・・・この人の優しさを。
睡骨さんの願いを叶えてあげようとした巫女さまだったけど、そうしようとする前に、あの、蛇骨って人が、ヘビのような刀を使って、咽喉元の欠片を弾き出し、持って行ってしまったの。
そして、そのまま、聖域の結界の中に、逃げ込んでいったんだ。 
欠片を取り出した途端に骨だけの骸に変わってしまった睡骨って人の身体・・・・とっても可哀想な気がしたんだ。
巫女さまに、お礼を言ったら、殺生丸さまが、もう、行かれてしまう。 
慌てて、後を追う。
殺生丸さま・・・・怒ってる?  
さっきから、ずっと、何も仰らない。 
りんのせいだ!!!
りんが、捕まったりしたから、殺生丸さまが、お怪我しちゃったんだ。
御免なさい! 殺生丸さま! 
悲しくって、悲しくって、思わず、泣いちゃった。
そしたら、殺生丸さまが、頭を、撫でて下さったの。 
とっても、優しく、何度も。
それから、邪見さまの許へ戻ったんだけど、すぐ、川で水浴びするように言われちゃった。
りん、そんなに、汗臭かったのかな???  
そんなに、汗、掻いてないのに・・・。
白霊山から戻ってから、殺生丸さまは、お一人で、出かけられる事が多くなったの。
今日も、お留守番か~~つまんないね!邪見さま。
お花を摘みながら、遊んでたら、わわっ!以前、りんを攫った、あの女(ひと)、神楽が、来たの!  
殺生丸さまが居ないと聞いてすぐに帰ったんだけど。 
何しに来たんだろう??? 
殺生丸さまに会いたかったのかな?
殺生丸さまが、何かを嗅ぎ当てられたみたい。 
殺生丸さまは、お狗様だから、お鼻が、凄く良いんだって。 
邪見さまが言ってたの。 
う~~~~んと遠くの事でも判っちゃうんだって。
うわ~~~凄く大きい鳥さんの死体! 
おまけに首が無いの!
何があったんだろう?! 
うわうわうわ!!! また、あの女(ひと)だ! 
神楽!
あの世とこの世の境の入り口だとか、りんには、良く判らない事を、殺生丸さまと話してる。
りんは一緒に行けないの。 
殺生丸さまの邪魔になっちゃいけないもんね。 
だから、待ってるの。
阿吽と一緒にね。 
殺生丸さまは、いつも、帰ってきてくれるもん。 りんの処に。
やっぱり、帰ってきて下さった! 殺生丸さま! 
りん、とっても、嬉しい!
何だか、今日は、殺生丸さまのもこもこから離れようとしない邪見さま。 
あっ、蹴飛ばされた!
 星の綺麗な夜、風を読んでいた殺生丸さまが、「来る」と、一言。 
ゴオ~~~ッ!神楽だ! また、来た!! 
今度は、何の用なんだろう? 
心臓の在りか? 奈落の?
奈落が、最近、手に入れた不妖壁っていう守り石を突き止める為の手掛かりになる、妖気の結晶を置いてった。 
邪見さまは、罠かもしれん、と云うけど、あたしには、そうは思えなかった。
だから、持ってたら?って言ったの。 
きっと、あの神楽って女(ひと)、殺生丸さまの事が好きなんだよ。 
凄~く褒めてたしね。 
あんなに強くて綺麗な殺生丸さまだもん。
それから、次に、神楽に会ったのは、川縁を、みんなと一緒に歩いている時だった。
あたしは、阿吽の背に乗ってた。 
殺生丸さまがね、石だらけの処や、草原を歩く時は、阿吽に乗るようにって仰ったからなの。 
以前、足を切った時から、そうしてる。
殺生丸さまが、何かに、気付かれたのか、空を見上げられたの。
「どうなさいました?」って邪見さまが尋ねたら、空から、何か、落ちてきたの。 
ザ――――――ン! 水音が反響する。
あれ!? 神楽だ! 
何か様子が変! 気を失ってるみたい。 
邪見さまが殺生丸さまにお伺いを立ててる。
「放っておけ。」と仰ったけど・・・・でも、助けなきゃ!
着物を端折って、川の中に入ったの。 
つるっ! バシャ――――――ン!
滑っちゃった!
ゲホゲホゲホ!
邪見さまが人頭杖を差し出して、助けてくれようとしたんだけど・・・・・。
つるっ! ド-―――――――ン! 
あああ~~~~~助けて~~~~~
みんな溺れちゃう~~~
結局、殺生丸さまに、全員、助けて頂く羽目になっちゃった。 
邪見さまは、でっかいタンコブをもらっちゃった。 
神楽の胸に、大きな穴が開いてる。 
死んじゃったのかな?と思ったら
見る見る内に、穴が塞がっていく。 
凄い!! 気が付いたみたい。 
あたし達を見て驚いてたみたいだね。 
奈落の心臓の在りかを、殺生丸さまに教えて、帰って行ったの。 
殺生丸さまに助けてもらいたくて来たんじゃなかったのかな?  
何だか寂しそうだった。
神楽が教えてくれた寺に、みんなで、やって来たの。 
誰もいないや。 でも、裏手に回ったら。
きゃっ! 凄い数の妖怪の残骸が! 
それに、真新しい掘り起こされた墓の跡。
一体、何が、あったんだろう?  
それから、暫くして、邪見さまが、神楽の事を、話題にしたの。 
そしたら、殺生丸さまが、ポツリと一言、「死んだ」っておっしゃった。
そうか・・・死んじゃったのか。 
攫われたりして、怖い思いもしたけど、死んじゃうなんて可哀想だよね。 
大きな羽根に乗って、本当に風みたいに飛んでたっけ・・・・。
おっ母が言ってた。 
死んだら、魂は、新しい身体に宿って、また、生まれて来るんだって。
だったら、今度、生まれて来る時は、あの人が、もっと幸せに生きれますように、南無南無。
旅の途中で見つけた大きな甲羅を持った骨の骸。 
冥王獣って言うんだって。 
何でも沢山の妖怪の中でも一番堅い甲羅なんだって、邪見さまが。 
でも、一枚、甲羅が、剥がれてる。
誰が、やったんだろう? 
そしたら、殺生丸さまが、札が焼きついた跡が、あるから、多分人間の坊主にやられたんだろうって、仰った。 
殺生丸さまは、何でも知ってらっしゃるんだね。
その殺生丸さまが、傷だらけになって、戻ってみえた。 
妖鎧は、穴が、開いてるし・・・。
闘鬼神が、無い! どうして!?!  
邪見さまに聞いたら、折れちゃったんだって。
どうしたんだろう。 
傷のお手当てしなきゃ!と思ってたら、三つ目の牛さんに乗ったお爺さんが、やって来たの。
刀々斎さまって云うんだって。 
殺生丸さま、凄くご機嫌悪そう。        
あの、お爺さん、大丈夫かな? 
でも、全然、気にしてなさそう。 
平気で話し掛けてる。
天生牙に呼ばれて来たんだって。 
殺生丸さまの心に、足りなかった物が生まれたんだって。
そしたら、邪見さまが、殺生丸さまの、お心は完璧だって! 
うん、強いし、優しいしね。
邪見さま、涙声で、「優しさなど知らん。」って。
・・・・泣かないで、邪見さま。
刀々斎さまが、天生牙を、打ち直す為に、持って帰ってった。 
武器として鍛え直すんだって。
驚かれてたな、殺生丸さま。 
りんも、驚いたよ。 
あの天生牙が、武器になるなんて!
刀々斎さまが、指定した場所で、もう三日も、待ってる。 
魑魅魍魎が、一杯出てくる場所なの。
あたしの匂いに、惹かれるのかな? 
引っ切り無しに、襲ってくるの。 
その度に、邪見さまが人頭杖を使って、焼き殺してくれてるんだけど・・・遂に、邪見さまが、痺れを切らしたみたい。
刀々斎さまが、天生牙を持ち逃げしたって喚き出したの。 
そしたら、三つ目の牛さん、猛々に乗って、現れたの。 
邪見さまを踏みつけてね。 
打ち直された天生牙を、早速、抜き放って試される殺生丸さま。 
あれっ! 地面の下から鬼が出てきた! 
刀から、光が!
鬼が、襲い掛かってきた! 
一気に、刀を振り下ろされた殺生丸さま、あれっ、斬れてない!?
そしたら、鬼の後ろの空間が、三日月の形に切れて、鬼の身体も、それと同じ形の分だけ無い。
三日月の形の空間も消えた。 
冥道残月破って云うんだって。 
殺生丸さまの新しい技。冥道を斬って、そこから、敵の身体を、そのまま、あの世に、送っちゃうんだって。
凄いね! 格好良いね! 
これで、もう、誰にも負けないね!
あたしも、邪見さまも、阿吽も、みんな、みんな、殺生丸さまの新しい技を、喜んでた。
まるで、お祝いしてくれてるみたいに、風が、優しく、吹き抜けていったんだよ。
 それから、殺生丸さまは、冥道残月破の練習に、一生懸命なの。 
お山に、入って行っては、妖怪さんを、大抵は、鬼なんだけど、冥道を斬る練習をしてるの。 
あちこちの山に行ったよ。
沢山、鬼を斬って、あの世に、送ってから、山を下りたの。 
もう、練習、終わったのかな?
それでね、殺生丸さまの弟の犬夜叉が、やっつけられなくて、困ってた、沼渡りって云う妖怪を冥道残月破の一振りで、片付けた事もあったの。 
殺生丸さま、やっぱり、凄い! 強い!
それなのに、犬夜叉ったら、殺生丸さまに、云われた事に、怒って、殴りかかって来たんだよ。
でも、逆に、殴り返されて、吹っ飛ばされてた。 
う~~~ん、これって愚弟って奴なのかな?
殺生丸さまが、何かを、嗅ぎ取られたみたい。 
急いで、後を、追わなきゃ!
そしたらね、綺麗な男の人が、いたの。 
背中に、剣を、背負ってる。 誰だろう?
殺生丸さまは、知ってる人みたい。 
あれっ! その人の足許に、倒れてるの琥珀じゃない!?
綺麗な男の人は、大きな折鶴に乗って、逃げてった。 
殺生丸さまの邪魔にならないように隠れてた木立の陰から出て、琥珀に、手を掛けようとしたら、「触るな、りん」「毒へびだ」と殺生丸さまがおっしゃったの。 
ピタッと手を出すの止めたんだけど、邪見さまが・・・噛まれちゃったの。 
その後、地念児さんの畑まで、薬草をもらいに、阿吽に乗って行ったの。
薬草のおかげで、邪見さまは、すぐに良くなったんだけど、琥珀は、中々、毒が、抜けきらないの。
やっぱり、人間だからかな? 
邪見さまは、妖怪だから、早く、治るのかな?
この頃、殺生丸さまの、ご機嫌が、悪いみたい。 
邪見さまの、生傷が、絶えないの。
また、何か、余計な事を、言って怒られたのかな? 
この間なんか、凄かったんだよ!!
今まで、見た事もない位の、凄い蹴りで、う~~~~~~~~んと遠くまで、飛んでっちゃった。
前にも言ったけど、琥珀って、兄ちゃんを思い出させるんだ。 
早く、良くなるといいな。
みんな、元気なのが、一番、良い! 
だから、少しでも早く治るように、一生懸命、看病してたら邪見さまが、「琥珀に、余り、優しくするな!」って。
「何で?」って聞いたら、その後、慌てて外に出てった。 
どうしてなのかなぁ?  
何故、優しくしちゃ、いけないの?
だって、冷たくされると悲しいよ。 
りん、そういう思い、一杯一杯してきたから、出来るだけ人には、優しくしてあげたい。 
好きな人達には、特に、そうしてあげたいんだ!
だって、みんな、大好きだから!! 
邪見さまも、阿吽も、みんな、大好き! 琥珀も!
でもね、一等、大、大、大好きなのは、殺生丸さま!
 この世で、一番、大好き!   了
                            2006.7/9(日)作成◆◆
 
《第十一作目「みんな大好き」についてのコメント》
 
殺りんファンが大好きなご存知★りんちゃん視点で殺生丸さま御一行の旅について語ってもらいました。 始めはりんちゃんにシンクロ(=同調)するのが中々◆難しくて苦労しましたが・・・・・。コツを掴んだのか?スラスラと書けるようになりました。 
やっぱり★りんちゃんは可愛いです!!!
 
2006.10/8(木)★★★猫目石
 
 
 
 
 

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