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ミ~~~ン、ミン、ミン、ミ~~~ン・・・・暑ぅ~~い!
蝉がワンワン鳴いて頭の上から降ってくるみたいだ。
もう・・・ジッとしてるだけで汗が出てくる。
木陰に入ると少しは、ましだけど。
でも、本当に暑いよ、のぼせちゃいそう。
あんまり暑いから舌を出してみたの。
村に住んでた頃、マタギをやってる家があって、そこんちでは犬を飼ってたんだ。
山に入って猟をする犬だから、とても大きくて強そうだったんだよ。
でも、村が狼に襲われた時は、その家は、猟に出掛けて居なかった。
その犬がね、やっぱり夏になると、こうやって舌を出してたんだ。
そうやって暑さを逃がしてるんだって誰かが云ってた。
だから、あたしも、その真似をしてみたの。
少しは、涼しくなるかなって。
殺生丸さまは、犬の妖怪なのに、そういう事は、しないのかな?暑くないのかな?
そう思って殺生丸さまの方を見たら、邪見さまが、蹴り飛ばされた。
ビュ――――――ン!って山の方へ飛んでっちゃった。
また、何か、殺生丸さまの気に入らない事を喋ったのかな?
邪見さまって、どうして、ああも殺生丸さまに、お仕置きされるんだろう?
もしかして・・・お仕置きが好きなのかな?
だから、いつも、殺生丸さまを怒らせるのかな?
あたしが、そんな事を考えてたら、殺生丸さまに呼ばれた。
阿吽に乗せられて涼しそうな滝の水が流れ込んでる水辺に連れて来られた。
ワア~~~気持ち良さそう!でも、邪見さまは、大丈夫かな?
殺生丸さまに聞いてみたら「・・・・心配せずとも良い。」と仰った。
殺生丸さまが、そう仰るのなら、きっと大丈夫だね。
りん、着物を脱いで川に飛び込んだんだよ。
おっ父や、おっ母、兄ちゃん達が生きてた頃は、夏になると良く川へ泳ぎに行ったんだ。
だから、りん、泳ぐのも潜るのも得意。
兄ちゃん達に教えてもらったから。
水は冷たくて、とっても気持ち良い!
お日様がキラキラと水に光って凄く綺麗。
何度も何度も水の中に潜ったり泳いだりして遊んでたの。
魚も、いっぱい泳いでたんだよ。
お腹が空いたら、あの魚を取って食べよう。
こんな素敵な所に連れて来てくれて、ありがとう、殺生丸さま! 続く
マタギ=猟師の事。
りんちゃんには、可愛いリボン
の絵文字を使わなくては
ガサッ・・・ガサガサ・・・わしは今、山の中を歩いておる。
殺生丸様達を追いかけて。
何故って、そりゃ、殺生丸様が、いつものように癇癪を起こして蹴っ飛ばされたのじゃ。
全く我がままなんだから。
わしがチョット失言しただけで、す~ぐお仕置きなさるんじゃ。
実に厳しい主じゃ。
わしが、こんなに殺生丸様の為に身を粉にして尽くしているのに。
優しくしてもらった覚えが一度も無い!
それなのに、長年お仕えしてきた、この邪見を差し置いて・・・・。
殺生丸様は、あの、りんの奴には滅茶苦茶、甘いんじゃ!
もう、以前の殺生丸様を知ってる者からすれば、絶対に信じてもらえん程にな。
どれくらい甘いかって?
もう砂糖菓子がベタベタに溶けたように甘いんじゃよ。
わしが、お願いしても全然、聞いて下さらない癖に。
りんが「殺生丸さま、お願い」なんてニコッと笑顔で頼めば、殆ど何でも思い通りじゃ。
実に割りが合わん! 納得できん!
フウ~~~居た、居た。ようやっと追い付いたわ。
わしが、クソ暑い山の中を捜索している間、りんの奴は、水遊びか。
殺生丸様も阿吽も木陰で涼んでいるとは。
全く好い気な物じゃ。
ンンッ、あの、殺生丸様の口許に微かに浮かんでいるのは・・・・・。
あっ、あれは、人間で言う処の“微笑み”ではないのか!?
みっ、見てはならぬ物を・・・・見てしまった。
あの、殺生丸様が微笑むなどと、有り得ぬ!有ってはならんのだ!
あの方が微笑んで未だ嘗て無事で済んだ験しが無い。
ゾゾゾォ~~~~~~ッ(悪寒)
わしは何も見なかった!そっ、そうじゃ!断じて何も見てはおらんぞ!
殺生丸様が、りんの行水を見て、優しげに微笑んでいらしたなどと・・・・。
決して、決して、誰にも喋ったりしませんぞぉ~~~~っ!
ハッ・・・・(背後に感じる殺気)
「せっ、殺生丸様、いっ、何時から其処に・・・・。」
「・・・・貴様が何やらブツブツ喚き出してからだ。」
「ヒッ、ヒェ~~ッ!」
「・・・・水にでも浸かって頭を冷やせ。」
バシャ―――――――ン!
りんが遊んでいる浅瀬から、かなり離れた場所に滝壷が有ります。
邪見は、首根っこをひっ掴まれて其処に放り込まれてしまいました。
勿論、邪見の脚が届く筈も無い深みです。
危うく溺れて土座衛門になりかかった処を阿吽に助けてもらったそうです。 お終い
それにしても邪見って本当に失言で美味しいネタをくれるタイプです。
ネタに詰まりそうなると邪見を引っ張り出してきます。
そうすると何とか話がスムーズに繋がるのです。
何とも重宝な有り難いキャラです。
邪見、大好き
長年、兄上にお仕えしてきたキャリアは伊達じゃありません。
あの驚異(?)的な以心伝心ぶりナイス突っ込み(?)・・・・・じゃあ、兄上はボケ担当?
これからも大いに失言やウッカリミスで楽しませて欲しい物です。
此処は西国。戦国最強の大妖、戦慄の貴公子と恐れられた化け犬、殺生丸の居城。
「うん、だって初めて貰った大事な着物だもん!」 りんは、大切そうに昔の着物を抱きしめ頬ずりした。 「この着物を見ると、昔、旅をしていた頃の事を思い出して凄く懐かしい気持ちになるの。」 「そうじゃな、いつも畑泥棒の見張りをさせられたもんな。何度も攫われて、その度に殺生丸様が取り戻しに行かれたもんじゃ。」 ついつい憎まれ口を叩く邪見。 「ひどいっ!邪見さま!りんだって攫われたくて攫われたんじゃないよっ!!」 りんがふくれっ面をして言い返す。 「攫われる度に殺生丸様に云い付けられて温泉や川にお前を連れて行かされたもんじゃ。」 「ねえ、邪見さま。何で、いつも攫われた後に温泉や川に連れていかれたの? りん、そんなに汗臭かったのかな???」 「そりゃあ、殺生丸様がお前に付いた・・・フギャッ!」 見れば殺生丸が余計な事を口走ろうとした邪見を踏みつけている。 ゲシッ!ゲシゲシッ!! 「あっ、殺生丸さま! お仕事済んだの?」 「・・・こう城内が慌しいと仕事をする気にもならん。」 「・・・阿吽に乗って遠乗りにでも行くか?」 「うん!」「あっ、待っててね。これを干してくる。」 阿吽に乗って眼下の城内を見下ろすりんと殺生丸の目に華やかな色彩が映る。 その中に小さな紅白の着物が混じっている。 りんにとっては、何よりも色鮮やかな思い出の残る小さな着物が、風に揺られてはためいていた。 《殺りん祭り投稿作品「曝涼」についてのコメント》 本当は◆「送り火」を投稿するつもりだったのですが・・・・・何しろ字数が完全にオーバー ![]() |
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出来る限り削って何とかしようとしたのですが、如何せん、それでも多過ぎる。
仕方無く、諦め、この「曝涼」を必死になって捻り出しました。
ごくごく短時間で急ごしらえの作品だったので此処に掲載するにあたって少々手直しを入れました。
その点においては懐かしい作品です。今年の夏は殺りん
に萌えに萌えました。
2006.8/15.作成◆◆猫目石