邪見のボヤキ⑥ アウッ! アチッ! アチチッ! 急に瘴気がアチコチから溢れ出すようなってきた。 一体、何が起きているんじゃ??? それにしても、七宝も琥珀も阿吽も、何処におるんじゃ? こんな事なら、あの楓とか云う年老いた巫女の村で、大人しく待っておれば良かったかのう。 奈落の体の中に入ったと思ったら、いきなり触手で、阿吽から弾き飛ばされてしもうた。 周囲は気味の悪い肉塊だらけじゃ。 (奈落の体内なんじゃから当たり前か・・・) こんな不気味な処で、儂だけ独りなんて・・・・。 寂しい~~~~心細い~~~~誰ぞ、おらんのか~~~~??? そう心の中で嘆いておったら・・・・。 ンンッ、辺りが、突然、騒がしくなってきおったぞ! 「ドワッ!」 足許の肉塊が、いきなり崩れた!破壊された! どっ、どうなっておるんじゃ~~~??? ガガガガガ・・・・瘴気の音ではない。 これは、物体を破壊する衝撃音。 もしや・・・・と思い、音のする方に目を向ければ。 オオッ! 見えて来たのは、我が永遠の主、麗しくも怖ろしい殺生丸様ではないかっ!!! 『地獄に仏』とは、正に此の事じゃっ! もう、目一杯、お星さまと涙を浮かべて、主の許に、喜び馳せ参じる儂。 「殺生丸さま~~~!」 (涙、涙、愛と感動の再会になる・・・筈・・じゃった・・・・) そしたら、『バキッ!』と殺生丸様に足蹴にされた。 グウッ! こっ、これこそ、紛れも無い我が主の証拠。 ウウッ・・・久し振りに味わいましたぞ、貴方様の足蹴りの痛さ。 邪見、目が覚める思いに御座います。 ついでに目も廻りました。 (・・・・でも、やっぱり会えて嬉しい!) [1回]PR