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ううっ、寒い!



寒いです!
凄く凄~~~く寒いです!
日本海側は大雪だそうですね。
うう~~~この寒さに納得です。
夕方になって雪が舞い始めました。
管理人が住んでいる地方は雪に弱いです。
積もると交通状況が麻痺します。
明日が怖いです。


拍手を贈って下さった方々に感謝します。
しょっちゅう落ちてるのに・・・。
凄~~~く嬉しいです。
今回の『愚息日記』は難産でした。
ayaさま、コメント有難うございました
とっても励まされました。
有難うございます

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『愚息行状観察日記(42)=御母堂さま=』



※上の画像は『妖ノ恋』さまの使用許可を頂いてます。


殺生丸とりんが劇的な再会を果たしてから半月が過ぎた。
豺牙一門の処罰は殆どおわった。
多少の混乱はあったが国内は一応の平穏を取りもどした。


漆黒の夜空に浮かぶ巨大な白亜の城。
いつもなら天然の煙幕、白雲に隠された城が今宵は全貌を明らかにしている。
その理由は目を下に向ければわかる。
眼下は黒々とした闇一色に染まる海だ。
月光に輝く白い波飛沫のみが海水のうねりを伝える。
城の周囲十里(※一里=約4キロメートル)四方には人っこ一人いない。


今宵、中天にかかるのは上弦の月、半月だ。
満月ほどではないが、中々に明るい。
狗姫(いぬき)は脇息によりかかって月を眺めながら呟いた。


「さて、忙しくなるな」


絶世の美姫が白銀の長い髪をクルクルと指で玩(もてあそ)びながら洩らした意味深な言葉。
頭の中で何を思い描いているのか金色の双眸が面白そうに煌めいている。
白皙の頬に一筋はしる鮮やかな朱の妖線が艶やかな美貌を更に引き立てている。
主が発した言葉の意味を逸早(いちはや)く察したのだろう。
嘗ての乳母(めのと)にして狗姫(いぬき)の腹心の女房、松尾がよどみなく応える。
こちらも銀灰色の髪に緑の眸と中々の美女である。


「若様とりん様の婚礼の儀にございますか?」

「うむ、殺生丸のことだ。あの様子では、直ぐにも、りんと婚儀を挙げたいと申すだろうな。愚息め、豺牙一門への沙汰を下したかと思えば、その後は何やかやと理由をつけてここに入り浸(びた)りおってからに。松尾もあれの駄々こねは覚えておろうが」

「はい、どれだけ西国から矢の催促が来ようが根が生えたように動かれませんでしたな」

「まあ、無理もないか。三年も、りんに逢えなかったのだからな。二年間は生死さえ不明だったのだから」

「実(まこと)に。あの頃の殺生丸様は荒れておられました。連日連夜、西国城下の遊郭へ通いつめておられたそうで。若様の苦衷(くちゅう)が偲(しの)ばれます」

「ふむ、あ奴め、相当に追い詰められておったようだ。だからこそ、方斎を使って反魂香で、それとなく、りんの生存を教えてやったのだが」

「あれは実に見事な方策にございましたな。誰にも御方さまの示唆とは覚(さと)られず。されど、りん様の無事は若様に伝わる仕儀。上々の首尾にございました」

「くくっ、松尾よ、そなたに褒められるなら上出来だな。今回の件で西国内に巣喰っていた鼠どもの掃除は粗方すんだ。次は国外の曲者(くせもの)どもが相手ぞ」

「若様との縁組を狙っていた者どもにございますな」

「殺生丸は、長年、鉄砕牙を求めて人界を彷徨っておったからな。如何に縁を結びたくとも肝心要のあれが西国におらんでは話の進めようがあるまい。人界におった間、女狂いの噂も聞かなんだ。まあ、多少の摘み喰い程度はあったのだろうが。愚息は父親とは違いえらく不精(ぶしょう)な性質(たち)のようだ。いや、不精ではないな。あ奴の場合、単に面倒臭いだけであろうよ。りんに対しては少しの手間も惜しまんのだから。マメでなければ女にはもてん。我が息子ながら惚れた女にはトコトン甘い。その点は父親にそっくりだな」


狗姫は脳裏に今は亡き夫の面影を思い起こした。
西国の先代、闘牙王、殺生丸の父親である。
狗姫にとって夫は父方の従兄であり生まれた時からの許婚(いいなずけ)でもあった。
血が近い従兄妹同士なだけにお互いの容貌は良く似ていた。
端麗な美貌と長い白銀の髪。


だが狗姫が妍姿艶質な美姫なら闘牙王は颯爽たる美丈夫だった。
それに狗姫の頬の妖線が朱色なのに対し闘牙王の妖線が青という点でも異なる。
狗姫が白銀の髪を二つにまとめるのに対し闘牙王は元結でひとつにまとめていた。
それは如何にも武将らしいスッキリとした姿だった。
闘牙王の容貌をひと言でいうなら『威風堂々』だろう。
ゆったりと構えた、その癖、隙のない威容が王者の誇りを感じさせる男だった。


「若様が人界にいた頃、小耳に入ってきた話ですが、気に障った者は女であろうと容赦なく毒華爪で消されていたそうにございます。その若様がああまで執着されているのです。りん様への思いは本物にございますな」

「さればこそよ、何としても、りんを護らねばならんのだ」

「今は若様がピタリとりん様に寄り添って護っておられますな」

「政務も何もかも放り出してな。業を煮やした尾洲と万丈が、直接、連れ戻しにこなければ、まだここに留まっておったに違いない。まったく我が息子ながら何と堪(こら)え性のない。りんは未だ月のものさえ来ておらん子供だというに。ともかく、あれが、どれほどせっつこうが、りんに初潮が来るまでは輿入れなどさせぬ。りんの養母たる妾(わらわ)が断じて許さん。かといって、これ以上、りんと殺生丸を引き離しておく訳にもいかん。とりあえず婚約だけでも公表して周(まわ)りを牽制しておかんとな。西国王の妃の座を狙うのは何も豺牙のように国内の者ばかりではない。周辺諸国は疎(おろ)か遙か遠方の国々まで虎視眈々と機会を窺う者ばかりだ。りんが脆弱な人間と知れば、ここぞとばかりに魔手を伸ばしてくるだろう。今後、りんの素性を探ろうと他国の者の出入りが激しくなるだろうことは必至。松尾よ、権佐に連絡をとって更なる警備の強化を申し付けておいてくれ。努々(ゆめゆめ)余所者(よそもの)に遅れを取ること罷(まか)り為らぬとな」

「承知いたしました。ほんに御方さまの仰る通りにございますな。若様との縁組を露骨に迫ってきた者どもにはこれまで以上に厳重な警戒が必要となりましょう」


【妍姿艶質(けんしえんしつ)】:美女の形容。「妍」は顔かたちが美しいこと。「艶」はあでやか、なまめかしいこと。

 

※『愚息行状観察日記(43)』に続く

 

 


 

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ホッと一息

母が退院しました。
ホッとしてます。
直腸ガンの手術のため市民病院に入院。
内視鏡を使った手術の為、身体への負担も少なくて助かりました。
四日ほどの入院で済みました。
去年の暮れの検査で判明、今月の18日の午後に入院。
19日の午後、手術でした。
23日にはもう退院。
アア~~~やはり云うに云われず気にしてたんですね。
チョッと気が抜けてます。


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◆御礼

美嘉さま明けましておめでとうございます。
お返事が遅くなりまして申し訳ありません。
昨日、小話の投稿をしてましたので。
ムーンライトの方にはチョコチョコ投稿してます。
宜しければそちらも覗いてみて下さいませ。
こちらの小話の執筆も頑張ります。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

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陣中見舞い④



幼子の金の瞳、う~~む、まぎれもなく犬夜叉の子じゃ。
犬夜叉は半妖ではあるが殺生丸さまと同じ白銀の髪、金の瞳じゃ。
母親は人間だが大妖怪の父君、闘牙王さまの血が強くでたらしい。
まあ、とにかくじゃ。
子供が犬夜叉の子であることは納得した。
だが、その子の名前は?
隻眼の巫女、楓に名を問うてみる。


「楓よ、この子の名は?」

「ふふっ、犬夜叉の子だからな。夜叉丸という」

「いつ生まれたのじゃ?」

「半年前だ」

「半年前・・・となると一年前、ワシがお主のところにりんの消息を教えにいった時には、もう、かごめの腹の中におったという訳か」

「そうなるな、まだ、あの頃は判らなかったが」

「ふ~~ん、あの犬夜叉が父親になあ。とはいえ、かごめと一緒になったんじゃから当然といえば当然か」

「まあな。それはそうと、今日は、いきなりどうしたのだ、邪見。何かあったのか?」


楓の指摘にハッとする邪見。
わざわざ人界にまで赴(おもむ)いた用を思い出したのだろう。
ポンと手を打つ。


「そっ、そうじゃ! ワシはお前に吉報を届けに来たんじゃった」

「吉報というと?」

「喜べ、楓! りんが見つかったぞ。今は殺生丸さまの御母堂さま、狗姫の御方の居城におるんじゃ」

「何と、兄殿の母君の許とな。で、それは、一体どういう経緯(いきさつ)でそうなったのだ」

「うむ、それが、話せば随分と長い話でな」

「そうか、ならばこんな処で立ち話もなんだ。ワシの庵(いおり)に寄っていくがいい。丁度、飯時だ。粥(かゆ)など啜(すす)りながら積もる話を聞かせてもらとしようか」

「ふむ、そうじゃな。では馳走になろう」


隻眼の巫女は歩き始めたばかりの幼児を連れ踵(きびす)を返した。
緑色の小妖怪も足並みを揃えて歩いていく。
同じくらいの背丈の幼児と小妖怪が共にヨチヨチと歩く姿。
それは妙におかしみを誘う場景だった。

 

 

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陣中見舞い③

お仕置き主従

邪見は醍醐に騎乗して眼下を見下ろした。
三年ぶりの人里である。
空から俯瞰(ふかん)すると村の様子が一目瞭然でわかる。
ごくありふれた村の佇(たたず)まいが目に入ってきた。


ふむ、相変わらずじゃな。
邪見は独りごちた。
村は見た感じ、三年前とそう変わっていなかった。
強(し)いて違いをいうなら真新しい家屋が二・三軒建っているぐらいか。


んっ! あれは誰じゃ?
幼子がトトッとよろけながら歩いている。
子供の側には見知った顔が付き添う。
刀の鍔を眼帯代わりにつけている隻眼の老女。
村を守る巫女、楓だ。
思わず知らず邪見は巫女の名を呼んでいた。

「楓~~~~~!」

名を呼ばれた巫女が上空を見上げた。
そこには一頭の竜にチョコンと乗った緑色の小妖怪の姿。

「おおっ、邪見ではないか。久しぶりだな」

邪見は醍醐に下降の指示を出し近くの草原に降りた。
ピョンピョンと竜から跳び下りる。
楓と幼子が側に寄ってきた。

「一年ぶりじゃな、楓、子守か。んんっ、その子は誰の子じゃ。初めて見るぞ」

邪見は楓がつれている子供に目をやった。
まだ歩きだして間がないのだろう。
足元がフラフラと覚束(おぼつか)ない。

「ふふっ、誰の子だと思う?」

「そうじゃな。大方、法師と退治屋の子じゃろう。あそこは、年中、盛っておるからな」

「外れだ。この子はな、犬夜叉とかごめの間にできた子だ」

「げぇっ、なっ、なっ、何じゃとおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉ!? いっ、犬夜叉とかごめの子じゃとぉおぉぉっ!?」

邪見は絶叫した。
犬夜叉は半妖ではあるが、主君、殺生丸さまの異母弟である。
その犬夜叉とかごめの間に出来た子供、つまり目の前の子供は西国王、殺生丸さまの甥っ子にあたる訳だ。
もっとも半妖の子なので妖怪の血は四分の一しかひいてない。
血の四分の三は人間だから殆ど人間といっていいだろう。


邪見は、まじまじと幼子を眺めた。
よくよく見れば子供の髪は村人と同じく黒い。
かごめに似たのだろう。
だが瞳は上質の琥珀を思わせる艶(つや)やかな金色だった。

 

 


 

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御礼です



昨日※上記の画像は『ぱたぱたアニメ館』よりお借りしました。
URL=http://www.pata2.jp/

元旦に拍手&コメントを贈って下さった(ういんく様)に感謝致します。
それから拍手のみ贈って下さった方にも
有難うございます。
これからも無理せず長く続けていきたいと願ってます。



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陣中見舞い②

ピヨピヨ邪見

早速、ワシは厩(うまや)へと向かった。
足を確保せねばならんからの。
阿吽は殺生丸さまが乗っていかれたしな。
となると別の竜を探さねばならん。


幸い、阿吽には及ばんが、かなりの健脚を誇る竜が見つかった。
何せ阿吽は双頭の竜だけあって二頭分もの馬力を有しておる。
西国一の駿馬(しゅんめ)ならぬ竜じゃからの。


竜の名前は『醍醐』という。
うむ、中々の強面(こわもて)じゃ。
立派な面構えをしておる。
よろしく頼むぞ、醍醐よ。


どこへ行くのかじゃと?
んなこと決まっておろうが。
人界にある楓の村じゃ。
あそこには犬夜叉やかごめ、法師に退治屋もおるからの。
七宝と琥珀も、おっと琥珀は確か修行の旅に出ておったんじゃよな。
そのせいで滅多に村に帰ってこないとか。

 

騎乗用の鞍を置いた醍醐に乗って妖界と人界の間にある結界を渡る。
一時(約二時間)ほど乗っておったかな。
結界を抜ければ目指す人界はもうそこじゃ。
さてさてアイツらは元気にしておるかのう?
りんが行方知れずになって以来、殆ど逢っておらん。


楓め、りんが殺生丸さまの母君、西国の王太后さまの養女になってると教えてやったら、さぞかし驚くじゃろうて。
驚きすぎて腰を抜かすかもしれんな。
あ奴も随分な年じゃからな。
それから、犬夜叉にかごめ、法師に退治屋と。
七宝はおるかな?
三年前は妖術修行で村に居ないことが多かったからな。
まあいい、あ奴には犬夜叉かかごめが教えるじゃろう。

 


 

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陣中見舞い①



新年に向けて西国の城中は何処(どこ)も彼処(かしこ)も慌(あわただ)しい。
チョイと歩いただけで何やら運んでる女中どもにぶち当たられ突き飛ばされた。
何という無礼な!
当代西国王、殺生丸さまの壱の従者、この邪見を突き飛ばすとは!

「無礼者!」と相手を叱り飛ばそうとしたが、次の瞬間には、もう影も形もない。

むうっ、咎(とが)めようにも相手がおらんのではどうしようもない。
仕方ない、許してやるか。
それにしても、こうも女中衆がワサワサと出張っておっては落ち着くどころではない。
殺生丸さまは殺生丸さまで『りん』のいる御母堂さまの城においでだし・・・。

あっ?
どうして一緒にいないのかじゃと?
そんなもん、決まっておろうが!
殺生丸さまに置いてきぼりにされたんじゃ。

ククッ・・・殺生丸さまったら、酷い!
いくら『りん』に逢いたいからってワシを置き去りにするなんて。
あんまりですぞ。
邪見は悲しゅうございます。

今、西国城内は年末の大掃除でバタバタして居場所がない。
どこにおっても掃除の邪魔だとせっつかれ追い出される。
本当に、もう、ワシ、どこに行けばいいんじゃ!

んっ!?
そうじゃ、久しぶりにアソコへ行こう。
そうそう、ワシ、何で思いつかんかったんじゃろ。
アイツらに近況を教えてやらんとな。




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