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予想最高気温が14℃。
寒いはずだわ
感謝にございます。
1500字台に乗りました。


長編のコミックを大人買いしまして。

新作の方も頑張ってます。
頑張ります
ファイトであります。

※上の画像は『妖ノ恋』さまの使用許可を頂いてます。
「ホホ~~ッ、では、改めてお伺いいたします。殺生丸さま、貴方さまが冥府から呼び出したい御方の名前は?」
「りん・・・だ。我ら妖怪と違い、人間の・・・少女だ」
方斎からの問いかけに殺生丸は躊躇なく返答した。
当初、持っていた反魂術への疑いは、今しがたの邪見の母とのやり取りで完全に霧散していた。
例え、魂だけの存在だとしても、りんに逢えるかも知れない。
まして、方斎の反魂術は一時的にせよ肉体を纏(まと)うらしい。
先程の邪見の母、阿邪による邪見への折檻で、それが確認できた。
ということは、りんを抱きしめることも可能な訳だ。
そう思うだけで否(いや)が応にも膨らむ期待を殺生丸は身の内に感じていた。
「分かりました。ホッ、それでは反魂香を焚き上げる準備をしますので、暫(しば)し、お待ちを」
方斎は小袋から親指の先ほどの大きさの霊薬を取り出し香炉に載せ火を点じた。
白濁した煙が室内に拡がり出す。
方斎が目をつむって手で印を結びつつ呪(しゅ)を唱(とな)え出した。
「ホ~~ッ、天を我が父と為し、地を我が母と為す、六合中に南斗・北斗・三台・玉女在り、左方に青龍、右方に白虎、前方に朱雀、後方に玄武、前後扶翼す、冥府より人間の少女、“りん”が魂を反魂せしめよ、ホッホッホ~~~ッ、急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!」
呪(しゅ)に応じて煙が何度も人型を取ろうとするのだが、それは見る間にグズグズと崩れていく。
そうこうする内に反魂香は香炉の中で燃え尽きてしまった。
同時に煙も消え失せた。
結局、最後まで、りんが現われることは無かった。
「・・・どういうことだ」
殺生丸は酷(ひど)く訝(いぶか)しげに方斎に訊ねた。
眉間に深く皺が寄っている。
怖ろしく機嫌が悪そうである。
無理もない。
二年ぶりに、りんに逢えるかもしれないと思った期待が見事に裏切られたのだ。
殺生丸の凄まじい睨みに動じもせず方斎はチョコンと首を傾(かし)げた。
「ホホ~~ッ、おかしいですなあ。この反魂香は西海聚窟州の高山に生(は)える三千年もの樹齢の返魂樹(はんごんじゅ)の根から精製した世にも稀(まれ)なる霊薬。霊験(れいげん)あらたかなること限りなしと謳(うた)われてきた比類なく貴重な代物です。これまで、ワシは何十回いやいや何百回となく反魂術を試みてきましたが、今回のように冥府から死者を呼び出せなかったのは僅(わず)かに二例のみです。ホッ、包み隠さず有り体(てい)に申せば一例は既に魂が転生しておりました。もう一例は呼び出す相手が死者ではなかった。ホホ~ッ、即(すなわ)ち、生者(せいじゃ)、生きておったのですよ」
方斎の説明に殺生丸が、ハッとする。
転生または生存。
それは、殺生丸に取って究極の二者択一だった。
『天国と地獄』と言い替えてもいい。
もし転生ならば・・・絶望的だ。
りんに逢う可能性は完全に断たれる。
だが、もし、生存ならば・・・。
期待と不安が忙しく交錯する。
気持ちが逸(はや)って今にも猛(たけ)り狂いそうになる。
殺生丸は努めて無表情を保ちながら、ややもすると暴れ出しそうになる心を必死に抑え込んで方斎に問うた。
「ならば・・・りんは、どちらの例に該当(がいとう)するのだ」
「ホ~~~ッ、そうですな。先程の従者、邪見殿の話を聞いた限りでは、りんという少女、大雨の日に川の側で姿を見たのが最後とのことでしたな。状況から鑑(かんが)みて、転生と生存、そのどちらにも可能性が有ります。ホ~~ッ、となると・・・これは占ってみませんと、どちらか判りませんな。さてさて、少々、お待ち下され」
そう言い置くと方斎は部屋の隅に置かれた箪笥(たんす)に向かい中から漆塗りの黒い箱を取り出した。
そして、机の上に箱を置き(ふた)を開けた。
中には算木(さんぎ)と呼ばれる三寸余り(約10cm)の木製の角棒が六本と箸(はし)ほどの長さの細い棒が何十本も納められていた。
殺生丸は、それらに見覚えがあるのだろう。
大して驚きもせず呟(つぶ)いた。
「・・・易占(えきせん)か」
「ホ~~ッ、左様にございます。巷(ちまた)では『当たるも八卦、当たらぬも八卦』などと揶揄(やゆ)されておりますがな。ホッ。それは、ろくに易を理解もせず熟練もしていない輩(やから)が当てずっぽうに八卦を見た結果にございます。真の易は千変万化する陰陽の諸相を筮竹(ぜいちく)にて占い算木に映しだす極めて神秘的な占術にございます。ここで、その薀蓄(うんちく)について語り出せば延々と長くなってしまいますので割愛いたしましょう。今でこそ、気軽に庶民が街頭で失せ物や進路、その他、諸々(もろもろ)の悩みを占ったりしてますが、本来、易は、国家の命運を占う術(すべ)でございました。そう、帝王たる者が修めるべき学問だったのでございます」
「では・・・たかが人間の少女ごときの運命を占うのは不服か?」
殺生丸の問いに方斎はニコッと笑って返答した。
「ホッ、とんでもございません、殺生丸さま。貴方さまは西国の国主です。この西国、二百万の民草の命運を、その双肩に担(にな)っておられる。そんな御方が寵愛して止まぬ人間の少女。その少女の行方が知れぬが故に、貴方さまは自棄(やけ)になり、連日、政務を蔑(ないがし)ろにして遊郭に籠もっておられるとお聞きしました。という事は、少女の行方が知れぬ限り貴方さまの心が安らがれる事はありますまい。となると、この占断は西国の運命を占うに等しいのではありませんかな。ホホ~~ッ、この方斎、心して占わせて頂きますぞ」
※『=反魂香(はんごんこう)⑥=愚息行状観察日記外伝』に続く




えらく時期的に遅い黄砂だそうで。
春先でしたよね。

メールを贈って下さったのに。




11月7日に
メールフォームから【2件】、
メールが入ってました。







『立冬』
に入りました。
寒い

風邪を
引かないようにお気をつけ下さいませ。
お陰で、最近、順調に新作を公開出来てます。

※上の画像は『妖ノ恋』さまの使用許可を頂いてます。
「ケホッ、ケホッ、ゴホッ、むむっ、煙い!」
室内に充満する煙に咽(むせ)て邪見は顔を顰(しか)めた。
涙まで盛大に出てきた。
大きな出目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
折りしも死者を甦らせるという反魂香を焚(た)き上げているまっ最中である。
そんなウルウルと涙ぐむ邪見をポカリと打ち据える者が!
「相変わらず煩(うる)さいね、この子は」
目の前に現われた者の姿を見て邪見は驚愕した。
「グゲェ~~~ッ! はっ、母者(ははじゃ)~~!?」
それは、三百年前に死に別れた邪見の母親だった。
見れば邪見と瓜二つの容姿である。
違いは邪見の水干に対し唐風(からふう)の女物の衣装を身に付けている処だろうか。
髪も邪見と違ってフサフサだが、どうも不自然な感じだ。
おそらく鬘(かつら)だろう。
先程、方斎は、反魂術が偽物ではないと証明する為に邪見の身内を甦らせると宣言した。
その為、邪見は、二脚しかない椅子の一脚に座らされ死者を甦らせるという反魂香を嗅がされているのだ。
方斎に亡くなった身内の姿を強く思い浮かべろと云われ邪見は咄嗟(とっさ)に亡き母のことを念じてしまった。
だが、まさか、本当に出て来るとは思わなかったのだ。
わざわざ殺生丸を此処まで連れて来ておいて何だが、邪見は、内心、反魂術なる物に対しては半信半疑だった。
唯、気休めでも紛(まが)い物でもいいから、殺生丸を、りんに逢わせ気力を取り戻させたかったのである。
そこへ本物の母親の出現である。
もう吃驚仰天(びっくりぎょうてん)、恐れ入谷(いりや)の鬼子母神(きしぼじん)である。
邪見は唖然・茫然とするばかりだった。
そんな邪見にお構いなしに母親はビシバシと遠慮なく邪見を殴る。
「ヒィ~~~~ッ、やめて下されぇ~~~~母者(ははじゃ)~~~~」
「お黙り、邪見。お前、ま~だ自分に都合が悪くなると嘘を吐いているね」
「ええっ、そっ、そんな事はありません、母者!ワッ、ワシは嘘など一度も吐いたことはございません!」
「嘘つけっ!そもそも、それが、もう嘘だろうが。お前ときたら一度(ひとたび)口から出した言葉を、何度、撤回した!?最初の内こそ数えておったが余りにも回数が多いので馬鹿らしくなって途中から止(や)めてしまったわ。それに主に対する不敬な物言いも聞き捨てならん。その最たるものが魍魎丸(もうりょうまる)と殺生丸さまが闘っていた時のアレだ。『熟した柿のようにグッチャグチャになってるかもしれん』だったか。全く失礼にも程があろう。まだまだ他にもあるぞ。ホレ、あれじゃ。爆砕牙が出現する際、化け犬に変化した殺生丸さまが曲霊(まがつひ)と闘っていた時のことじゃ。お前が心の中でコッソリ思った無礼極まりない台詞よ。『犬だし、あまり賢そうではないし。変化を解けば小さくなって、すり抜けられそうなものだが・・・。お気づきにならぬのか!?犬だから』」
「ヒョエ~~~ッ、なっ、何で、母者が、そんな事を知っておるんじゃ~~~っ!?」
「馬鹿たれ、あの世では何もかもお見通しなんじゃ。本当に情けない。おまえは子供の頃から嘘つきで、その癖、それを直ぐ皆に見破られておった。大人になって少しは懲りたかと思えば、セコイ性根はちっとも治っとらんじゃないか!」
そう云いながらも邪見の母は小気味よく折檻する手を休めない。
ビシッ! バシッ! ドカッ! ポカスカ!
立て続けに母親から殴られ、遂に邪見は「ウ~~ン」と一言(ひとこと)呻(うめ)いたかと思うと、そのままバッタリ気を失ってしまった。
山ほどのタン瘤(こぶ)が見る間に膨らんでいく。
気絶した邪見の傍(かたわ)らで母親がビシッと床に正座して居住まいを正(ただ)した。
そして床に手をつき殺生丸に向かって深々と頭を下げる。
殺生丸の眸(ひとみ)が、極々、微かに揺らいだ。
「たいそう見苦しい処をお見せして申し訳ございません、西国王、殺生丸さま。お初にお目にかかります。邪見の母、阿邪(あじゃ)と申します。愚息がお世話になっております。御存知のように小心翼々の我が息子、色々とお腹立ちの点は多々ございましょうが、主を思う忠義の心だけは誰にも負けませぬ。今後とも、どうぞ、よしなにお願い致しまする」
口上をキッチリ述べ終わると邪見の母、阿邪の姿は煙のように薄れ消えていった。
何時の間にか反魂香の煙も室内からスッカリ消え失せていた。
まるで夢を現実に見ていたかのような感覚だった。
方斎が殺生丸を見やって問いかけた。
「さて、納得して頂けましたかな、殺生丸さま」
「・・・確かに」
殺生丸は小さく頷いた。
※『=反魂香(はんごんこう)⑤=愚息行状観察日記外伝』に続く