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いつも心の支えになってます。


※上の画像は『妖ノ恋』さまの使用許可を頂いてます。
方斎は、狗姫(いぬき)の御方が、さり気なく口にした言葉に驚かされた。
漢の武帝とは、今(注:『犬夜叉』の時代はAD1500年代の後半と推定)を遡(さかのぼ)ること千六百年もの昔、人界の中国大陸に存在した古代帝国の皇帝である。
そんな遥か昔を御存知なのかと。
方斎とて、梟族の長として、かなりの物識りとの自負がある。
だが、目の前の貴婦人に比べれば、知識、経験、度量、どれもが遠く及ばない。
この御方から見ればワシなど洟垂(はなた)れ小僧にしか見えんのだろうな。
ホ~~~ッ、仕方ない、ここは仰(おお)せのままに従おう。
方斎は軽く溜め息を吐いて狗姫に答えた。
「ホッ、分かりました。御方さまの望みのままに、この方斎、振舞いましょう。ホ~~ッ、されど、反魂香は、我が父、先代の方斎が存命中に使い果たし欠片すら残っておりません。新たに手に入れようにも反魂樹の生える西海聚窟州の高山には結界が施され蟻一匹でさえ入り込む隙がございません」
すると、狗姫の御方は、ワシの言い分を待っていたとばかりに目を眇(すが)めて事もなげに仰(おっしゃ)ったのだ。
「確かに、そなたの言う通りだ。反魂樹の樹仙自身が山全体に結界を張っておる。反魂香を得ようと邪(よこしま)な心を持つ輩(やから)どもが次から次へとやって来ては山を荒らしおったからな。それ故、朴仙翁から反魂樹の樹仙に話を通してもらった。そなただけは自由に結界に入れるようにとな。この城を辞したらば、即、向かうがよい。そちの欲する分だけ反魂樹の根を持ち帰っても良いと許可が出ておる」
「ホッホッホ~、なっ、何と・・・反魂樹の樹仙が直々(じきじき)に御許可をっ!?」
驚いた、まさか、そのような事が可能とは・・・。
そもそも、あの朴仙翁と親交がある事自体、凄い。
二千年もの樹齢を誇る朴仙翁、成る程、あの御仁ならば同じ樹仙同士、反魂樹に話を聞いてもらうことも可能だろう。
「首尾よく反魂香を精製したら西国城下にて方士になりすませ。何、反魂香さえ有れば、誰も、そなたを疑いはせん。それに、そなた自身、稀代の方士、小翁(しょうおう)の息子、方士の振る舞い方くらいは教えずとも解っておろう。そうしている内に『反魂香』の噂を聞きつけ、必ずや我が愚息が、そちの許を訪れるであろう」
「ホ~~~ッ、殺生丸さまがっ!?」
驚いて思わず叫んでしまった。
まさか、西国の当代さまともあろう御方が、直接、胡散(うさん)臭い方士の許を訪れるなど有り得るのだろうか?
「必ず来る、間違いなく・・・な」
こちらの当惑などお構いなしに狗姫の御方はニヤリと笑い自信たっぷりに頷(うなず)かれた。
「ホ~ッ、仮に殺生丸さまが訪問されるとして、ワシは、一体、何をすれば宜しいので?」
「そう、それこそが、此度(こたび)、妾(わらわ)が、そちを、此処へ呼び寄せた肝心要の用件なのだ。殺生丸は、そなたに、ある人間の少女を冥府から呼び出すよう求めるだろう。方斎、お主は殺生丸の求めるままに反魂香を炊き上げて死者を呼び出す振りをしてくれ」
「ホッ、御方さま、何故に呼び出す振りなどを?」
「呼び出す相手が死者ではないからだ。その者は生きておる」
「ホッホホ~ホ~~ッ!?」
「ここから先は、極々、内密の話になる。方斎、源伍、そなた達、口は堅いだろうな。もし、一言でも洩らせば・・・。分かっておろうな。命はないぞ」
それまで笑っていた狗姫の御方の目がスッと細まりキラリと妖しく光りだした。
内心、ゾッとしたが、そこはワシも梟族の長、一族の特性から諜報活動はお手の物、躊躇(ちゅうちょ)せずに頷(うなず)いた。
勿論、白鷺のお爺(じじ)こと源伍殿は狗姫の御方とは旧知の仲、否やのあろう筈もない。
ワシの横で、すぐさま頷いておられた。
そうした我らの態度を見て納得されたのだろう。
再び相好を崩された狗姫の御方は、徐(おもむろ)に口を開き、またまた我らを吃驚仰天(びっくりぎょうてん)させるような秘密を明かされたのだった。
まさか、西国の当代国主、殺生丸さまが、あの人間嫌いで名高い御方が人間の少女を寵愛されているとはっ!?
実に、実に、驚かされたっ!
どうにも信じがたい事実。
だが、信じるしかあるまい。
狗姫の御方が、そのような大事、わざわざ嘘を吐(つ)かれる理由もない。
然も、ワシらが話している最中、当の人間の少女が部屋の中に飛び込んできた。
この目で確かにその少女を見たのだ、是非もない。
それにしても、如何なる理由で人間の少女が狗姫の御方さまを『母』と呼ぶのか?
詳しい事情までは教えて下さらなかったので要(い)らぬ詮索(せんさく)はせなんだが・・・。
何はともあれ、狗姫の御方が、“りん”という人間の少女を溺愛しておられることだけは良く分かった。
それに、少女の方も、狗姫の御方を、大層、慕っておるようだった。
愛らしい黒髪の少女と白銀の美女が仲睦(なかむつ)まじく語らう様子は中々に目の保養だった。
一年後、紅葉の宴で少女を殺害しようとした黒幕は誅(ちゅう)され実行犯は縛(ばく)についたらしい。
新年の儀で少女は正式に狗姫の御方の養女となり同時に殺生丸さまの許嫁(いいなづけ)として御披露目されたと風の噂で聞いた。
【誅(ちゅう)する】::罪のある者を殺す。悪人を攻め滅ぼす。
了
ブルブル
暑い
と喚いていたのが嘘のようです。
くれぐれも防寒にはご留意下さいませ。

創作の励みになってます。


※上の画像は『妖ノ恋』さまの使用許可を頂いてます。
殺生丸と邪見が帰った後、方斎は机の上に置かれた算木(さんぎ)を丸い大きな目でジッと凝視した。
そして、ホウッと息を吐き感に堪(た)えぬかのように低く呟(つぶや)いた。
「ホ~ッ、御方さまの予想通りに物事が動いていくわ。神算鬼謀(しんさんきぼう)とは当(まさ)にこの事だな。流石は“白銀の狗姫(いぬき)”と呼ばれた御方じゃ。伝説の軍師と称(たたえ)えられるだけのことはある」
算木(さんぎ)が示す八卦は【地】×【雷】の卦、【地雷復(ちらいふく)】。
卦の意味は先程に説明した通りだ。
この卦は復卦(ふくけ)、つまり、(回復、復活、復元、元に戻す、帰ってくる)などを意味する。
だが、それは占断の七割であり全てではない。
残りの三割の内の二割は変爻(へんこう)、つまり◎印が付いた部分が担当している。
今回の場合は初爻(しょこう)、その意味は『遠からず帰ってくる』。
これも卦と同じく【復帰】を意味している。
心配は取り越し苦労と判る。
損失は回復、実りをもたらす、などなど、大吉。
そして、最後の一割は、変爻(へんこう)を引っくり返すことによって生じる卦、即(すなわ)ち、裏にして出てきた卦が暗示する。
方斎は【地雷復】の変爻(へんこう)を示す初爻(しょこう)の算木を引っくり返した。
陰 ̄  ̄ 陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄ 陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄ 陰 ̄  ̄
→
陰 ̄  ̄ 陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄ 陰 ̄  ̄
陽 ̄ ̄◎ 陰 ̄  ̄
陽が陰に変わる。
全ての爻(こう)が陰に変化した。
上卦・下卦ともに(陰・陰・陰)。
(陰・陰・陰)は【地】を意味する。
【地】×【地】の卦。
【地雷復(ちらいふく)】の卦は【坤為地(こんいち)】に変わった。
この変爻を引っくり返して得られた卦、これこそが次の段階、つまり未来を暗示しているのだ。
「ホホ~~ッ、やはり太極は全てを見通しておるわ。【坤為地(こんいち)】とは、これまた言い得て妙。地、即ち、大地を意味する。母なる大地はあらゆるものを受け入れ養い育てる。その言葉が示すように今回の場合はズバリ【母】を意味しておるわな。ホホッ、全ては【母】である狗姫の御方さま、貴女(あなた)さまの思惑のままに推移しておりますぞ」
算木を眺めつつ方斎は回想に耽(ふけ)る。
ひと月前、方斎は旧知の仲の白鷺のお爺こと源伍に連れられて天空の城を訪問した。
というか呼び付けられたのだ、狗姫に。
白雲に守り隠され、天空に浮かぶ巨大な城。
城の前庭の玉座に座していた白銀の美女が城主の“狗姫(いぬき)の御方”だった。
妖界で最大領土を有する西国の王太后にして、当代国主、殺生丸さまの御生母さま。
先代、闘牙王と並び立つほどの妖力の持ち主、且つ、軍略においては並ぶ者なき天才軍師。
噂に聞いたことはあったが実際に彼(か)の御方にお目に掛かるのは初めての方斎だった。
面識もないのに、一体、何用があって呼び出されたのかと、内心、訝(いぶか)しんでいた。
それが、まさか、西国城下で方士紛(まが)いのことをやらされる羽目になろうとは・・・。
如何なワシでも想像もせなんだわ。
第一、何故、反魂香のことを狗姫の御方が知っておられたのか!?
その疑問を率直にぶつければ返ってきたのは思いがけない言葉。
先代の方斎、ワシの父を知っているからだとはな。
そう、確かに、ワシの亡き父親、梟(ふくろう)族の先代の長(おさ)は方士だった。
あの時の会話が脳裏に甦(よみがえ)る。
狗姫の御方が徐(おもむろ)に口を開いてワシに頼み事をしたのだ。
「方斎よ、すまんが一つ頼まれて欲しい。そなた西国に行って方士の真似事をしてくれぬか?」
「ハッ!? 方士の・・・真似事にございますか」
「そうだ。そちの父親、先代の方斎は嘗(かつ)て小翁(しょうおう)と名乗り人界において方士として持て囃(はや)されておった。反魂香を用いて漢帝国の七代目の皇帝、武帝に、亡き愛妾、李夫人の姿を見せてやったであろう」
「なっ、何故、貴女さまが、それを御存知なのですか!?」
それはワシが幼い頃、父親が酒に酔うと決まって飛び出す若き日の武勇伝だった。
だが、それは、極々、親しい身内の者しか知らないはず。
何故、西国の王太后ともあろう御方が、そんな事を知っておられるのか。
ワシの疑問に狗姫の御方は呆気(あっけ)ないほどサラッと答えてくださった。
「ンッ? ああ、当時、妾(わらわ)は人界をうろついておってな。暫(しばら)く漢の宮廷で武将や官吏に化けて遊んでおったのよ。そうした関係で、そちの父親と知り合ったのだ。あ奴は随分と面白い男だったぞ。妖怪よりも人間に興味があった。というよりは人間が持つ際限のない“欲”にな。だから、人界で方士をしておったのよ。当時、漢の皇帝だった武帝なる人間は不老不死に取り憑(つ)かれておってな。その為、随分と怪しげな術を操る輩(やから)が宮廷に出入りしておった。中には宮女(きゅうじょ)に化けた狐や狸もおったぞ。フフッ、今にして思えば、何とも賑(にぎ(やかな顔触れだったわ」
※『=反魂香(はんごんこう)⑧=愚息行状観察日記外伝』に続く

時間が掛かるでしょうが・・・。
出します。






ブラヴォー
狂喜乱舞でございます~~~~
(うさこさま)、(美嘉さま)、コメント有難うございます。
いつも元気を貰ってます。
感謝、感謝にございます。
今、チョッと筆が止まってます。
出来るだけ早く新作を公開できるように頑張ります。
今回は簡単でスミマセン。
密林さんで全作の一気買いしようとして断念。
お値段が
高すぎて諦めた作品の一部でした。
『

の騎士』

ディスク2枚、8話分、220分で、何と980円という安さ。
音楽が凄い
と思ってましたが、それも道理でした。


いつも励まされてます。




すみません。コメントの御礼は明日致します。
新作の進捗(しんちょく)状況、
唯今の字数、
900字台です。(11月20日、16:50)
※上の画像は『妖ノ恋』さまの使用許可を頂いてます。
「ホ~~ッ、では、占わせて頂きますぞ」
方斎がバッと筮竹(ぜいちく)を手に取った。
易は、本来、五十本の筮竹と六本の算木(さんぎ)を組み合わせて占う。
方斎が問筮(もんぜい)の辞(ことば)を唱えつつ筮竹を捌(さば)きはじめた。
「汝ノ態勢、常アルニヨル、大極に御伺い奉(たてまつ)る、西国王、殺生丸さまが、今後も、“りん”なる人間の少女の捜索を続行することは吉なりや凶なりや? 八卦にて疾(と)く知らしめ給え」
ジャッ、ジャッ、ジャッ、筮竹を捌(さば)くたびに小気味よい音が生じる。
出てきた卦の示すままに算木を置いていく方斎。
六本の算木の配置が全て終わった
得られた八卦は以下の通りであった。
陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄
陰 ̄  ̄
陽 ̄ ̄◎
上部の三つが三つとも全て陰、これは【地】を意味する。
下部の上二つが陰、最後が陽、こちらは【雷】を意味する。
易は、この上下の卦の組み合わせで六十四通りもの八卦が出来る。
「ホッ、出ましたぞ、殺生丸さま。この八卦は『地雷復』の初爻(しょこう)にございます」
「それで、りんは・・・生きているのか?」
「ホ~~ッ、お気持ちは解りますが、些(いささ)か、せっかち過ぎますぞ。まずは『地雷復』の卦の意味する処を読み取らねば・・・」
「勿体ぶらずに早く言えっ!」
結果が待ちきれないのだろう。
殺生丸が苛立つ気持ちを抑えきれずに方斎の言葉を遮(さえぎ)った。
「ホッホ~~、仕方がございませんなあ。それでは、まず結果から言うとしましょう。殺生丸さま、貴方さまが捜しておられる人間の“りん”なる少女。この卦から判断しますと遠からず戻ってくるでしょうな」
「生きて・・・いるのだなっ!?」
「ホォ~~ッ、この卦は復卦(ふくけ)、つまり、(回復、復活、復元、元に戻す、帰ってくる)などを意味します。だから、まあ、必然的に、そういう事になりますかな」
方斎の返答に無表情だった殺生丸がカッと瞠目(どうもく)した。
驚愕と喜色が青白かった頬にサッと赤味を走らせる。
それまで殺生丸が纏(まと)っていた荒(すさ)んだ厭世的(えんせいてき)な雰囲気が瞬時に払拭(ふっしょく)された。
見るがいい、あんなにも物憂げで無気力だった眸(ひとみ)が、今や鷹のように炯炯(けいけい)たる眼差しに変わってるではないか。
目を疑うような劇的な変化である。
そこには嘗(かつ)てのように気力を充溢させた若き西国の王がいた。
もう先程までの遊蕩に身を持ち崩しかけた道楽者の面影は欠片もない。
「・・・そうか」
方斎の占断を聞いて殺生丸は僅かながらクッと口角を上げた。
それは久々の本物の笑みだった。
殺生丸がスッと立ち上がった。
そのまま踵(きびす)を返して出て行くのかと思いきや、床に寝そべった邪見に近付き声を掛けた。
先程、反魂香で冥府から呼び出した母親に折檻されまくったせいだろう。
邪見は床に伸びたままピクリともしない。
「起きろ、邪見」
「・・・・・・」
返答がない。
すると、いきなり殺生丸が邪見を蹴り飛ばした。
軽く十尺(約3メートル)ばかり吹っ飛んだろうか。
ベチャッと床に叩きつけられた邪見。
「ふぎゃっ!」
「・・・いつまで寝たふりをしている。帰るぞ」
「ヒョエ~~~ッ、殺生丸さま、きっ、気付いておられたのですかっ!?」
まさか狸寝入りがバレているとは思わなかったのだろう。
しどろもどろな応答の邪見であった。
「当たり前だ。貴様の息遣いが途中から変わった。それに匂いもな」
「ハヒィ~~~ッ、流石は殺生丸さま。御見逸(おみそ)れしましたあっ!」
蹴り付けられながらも邪見は嬉しかった。
元通りの主が返ってきたのだ。
以前の何か気に入らないと、即、邪見に当り散らす殺生丸さまが!
りんの生存が絶望視され始めた頃から殺生丸はパタッと邪見に当たらなくなった。
殴らない、蹴らない、勿論、石もぶつけなければ水責めもしない。
というより邪見の存在自体、殆ど、気にもされなかった。
大体、以前の殺生丸は八つ当たりするだけの気力(=妖力)自体が半減してしまっていた。
それ程までに『“りん”の行方知れず』は殺生丸の心を深く蝕(むしば)んでいたのだった。
だが、今回の件で“りん”の生存が確認できた。
そうと知った途端、殺生丸は忽(たちま)ち気力を取り戻し以前のように邪見を蹴り飛ばしたのだ。
どうして従者として喜ばずにいられようか。
正直、蹴られるのは痛い。
だが、この痛みが嬉しくて堪(たま)らないのだ。
このジンジンとした痛みこそが、大切な主、殺生丸さまが完全に復活された証なのだから。
・・・・・・痛いけど嬉しい、痛くても嬉しい・・・・・・。
端(はた)からみれば矛盾しているとしか思われない喜びを邪見は噛みしめていた。
※『=反魂香(はんごんこう)⑦=愚息行状観察日記外伝』に続く


皆様の応援あればこそ頑張れます。
一番
ですよね。
『反魂香』の⑥を
公開します。
つくづく邪見は
真性のマゾだ
と実感しました。