犬夜叉 -完結編- 第11話 「神無の墓標」 前回に引き続き今回も素晴らしい出来でした。 鏡=光の反射を利用して顔や姿、対象物を映す道具。 神無の鏡が変化した鏡の妖(あやかし)。 そんな鏡の妖の最大の武器は対象の武器をソックリそのまま写し取ること。 現代風にいうならコピー妖怪です。 鉄砕牙の武器が悉(ことごと)く鏡に写され奪い取られてしまいました。 風の傷は勿論、金剛槍破も、竜鱗の鉄砕牙も、結界破りの赤い鉄砕牙も。 そして、使われはしませんでしたが、当然、爆流破もです。 逸早く鏡の妖の属性を見抜いた弥勒の指示により、その場から逃れた犬一行。 弥勒の御札で結界を張り、一事しのぎをしますが、発見されてしまいます。 そして、これも鉄砕牙の能力の一端、結界破りの赤い鉄砕牙により結界を破られてしまいます。 コラァッ!技泥棒~~~返せ戻せぇ~~~ かごめが鏡の妖の喉許を狙って破魔の弓を撃ちますが命中しても鏡の妖には全く効果なし。 何故なら損傷は鏡の妖ではなく神無が代わりに受けるからです。 ウウッ・・・考えただけでも痛そう 犬夜叉は鏡の妖の猛攻を受け命の危険を感じ取ったせいなのでしょう。 目が赤くなる、爪が伸びる、頬に妖線が出る、顔が怖くなると妖怪化しました。 本能の為せる業(わざ)ですね。 しかし、妖怪化したものの心は失ってはいません。 鉄砕牙を犬夜叉が持っているからでしょう。 犬夜叉の攻撃を鏡の妖が受ければ受けるほどドンドン傷を負っていく神無。 まるで人形がひび割れ壊れていくかのようです。 何とも無残な有り様です。 左手を失い右腕までも失った神無に、もう攻撃する術はありません。 戦闘不能に陥った神無を見逃そうとする犬夜叉。 しかし、奈落は、それを許そうとしません。 最後は自爆行為によって犬夜叉達を巻き添えにするよう神無に命じます。 粉々に砕け散る神無。(これが本当の木っ端微塵) 分身の中で最も自分に忠実だった神無でさえ平気で捨石にする奈落の非情さに恐れ入ります。 酷いですねぇ~~~~殿、この仕打ちは・・・あんまりだわ 奈落の他者に対する不信は相当に根深いです。 呆れるほどに徹底してます。 一体、どんな経験をして、そうなったんだか そんな冷酷非情な奈落に愛想を尽かさない夢幻の白夜が、管理人には不思議といえば不思議です。 こういう処が他の分身達に比べ一味も二味も違うと感じさせる夢幻の白夜です。 他の分身は【無】である神無を除いて、どいつもこいつも隙あらば奈落に叛旗を翻(ひるがえ)そう裏切ろうって奴らばかりでしたから。 ン~~~もしかすると白夜の特性は鬼蜘蛛じゃなくて、元々の殿に由来してるのかしらん 奈落は鬼蜘蛛だけじゃなくて人見家の若殿だった人見蔭刀(かげわき)様、殿も取り込んでます。 当然、本来の殿の性格云々も奈落の内部に眠ってるはずな訳です。 殿が、イエ、奈落自身の内面が複雑なのは、複数の人間と妖怪の融合体だってことに起因してます。 そう考えていくと、管理人の推測も、あながち間違ってないだろうと思うんですが。 砕けた鏡の破片が、かごめの右目に その小さな破片が奈落の持つ四魂の玉を、かごめに見せます。 四魂の玉の中心に見える一点の光。 桔梗の残した光です。 「光が奈落を殺す」、これが神無の残した手掛かり、奈落を倒すヒントです。 その最後の言葉とともに、かごめが神無の心を受け取ります。 心が無い筈の神無に感情が芽生えていたのですね。 それは、きっと神無とは相反する奔放なまでに感情豊かだった妹の神楽の影響でしょう。 神楽の死を悼む神無には仄(ほの)かな感情の揺らぎが見えました。 今回は原作に忠実でありながら原作を凌駕する素晴らしい出来でした。 アニメならではの属性を最大限に生かしてます。 フルカラー映像の見事さ、音声、演出、どれもが最高の出来でした。 特に光の映像は見事です。 アニメでなければ、あの迫力は出せなかったでしょう。 [0回]PR