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天生牙の意思


『天下覇道の剣』、云わずと知れた殺りんファンにとってバイブルとも云うべき犬映画の第三弾です。
管理人も何を隠そう、あの映画を見て、真っ逆さまに、【殺りん道】に嵌った名作です。


あれを見なかったら、こうまで【殺りん】に嵌る事も無かったし、大体、このブログ自体、開設していなかったでしょう。それ程の影響力を及ぼした作品です。


その『天下覇道の剣』の中で解説されていた三剣についての説明では、三剣は、三界に相応する剣との事。
三界とは、天界・地界・人界を表し、天生牙は天界に、叢雲牙は地界に、鉄砕牙は人界に対応。
原作では、叢雲牙は存在しない剣なので、実際には、三界では有りません。


天界は、そのまま【天】を表します、人界=大地に根ざして生きる人=【地】と解釈して宜しいかと。
そう考えるが故に、天生牙=【天剣】と呼ぶ管理人です。
(『天剣』の題にて作品も書いてます)
鉄砕牙は【地剣】と解釈しても良いと思います。


その【天剣】なる天生牙には明らかに意思が有ります。
その意思が、初めて働いたのが、鉄砕牙の風の傷から兄上を守った時の事です。
大怪我して手負いとなった兄上を犬夜叉一行の許から連れ去ったのも天生牙の意思。
そして、兄上は、りんちゃんと出会います。


天生牙が、その刀本来の“癒しの力”を最初に発揮したのは、りんちゃんに対してでした。
狼に噛み殺された、りんちゃんを、初めて兄上が、天生牙を使って冥府から連れ戻します。
二度目に、天生牙が、振るわれたのは、灰刃坊に斬り殺された邪見に対して。
三度目が、川獺(かわうそ)の甘太の父親を助ける為に。
四度目に兄上が天生牙を振るおうとしたのが、神楽にでした。
しかし、神楽の場合は、天生牙が、反応しませんでした。
そうした例を見てきて判った事は、「天生牙は、救うべき者を救う」と云う事です。


りんちゃん=罪無き無垢な幼子

邪見=忠実なる殺生丸の下僕

川獺の親父=息子の甘太の良き父親


上記の三名に関しては、蘇生させる事に、天生牙は否やは申し立てません。
即、反応し、三名を救命しました。
しかし、神楽には、反応しませんでした。


管理人は、神楽に対しては申し訳ないけれど、その反応を至極、妥当だと思います。
神楽は、救われるべき存在ではない、からです。


神楽自身には、奈落の分身として命じられたから殺したと言う大義名分が有るかも知れません。
しかし、彼女は、殺し過ぎました。人も妖怪も。
自分の意図の為に殺しまくり、屍舞いで、その死体を利用するような事もしてきました。
それも、何度も、嬉々として殺してきたのです。
まるで、自由になれない己の憂さを晴らすかのように。


「奈落から開放されたい!自由になりたい!」、これは神楽の、心からの望みだったのですが、管理人には、虫が良すぎると感じられてなりません。
神楽が、無造作に殺してきた人間や妖怪にも望みは有った筈なのです。
そうした者達の命や夢を理不尽に断ち切りながら、自分だけは奈落から自由になりたい、助かりたい・・・・。
そのような事が、許される筈もありません。


例え、誰が、許そうとも、天が、許しはしません。
況して、天生牙は、天の意思を体現する刀。
神楽に反応しなかったのも無理は有りません。


最後に兄上に看取られて逝けただけでも幸せだったと思います。
唯一、神楽が、何の見返りも求めず琥珀を助けた事に対する、天からの慈悲のように思えてなりません。

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