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「それはそうとよ、琥珀、おめえ、あれから珊瑚に顔を見せに村に帰ったか?」
刀々斎が、日頃の不義理を、鋭く琥珀に突っ込む。
「イエ・・何しろ・・そのぉ~~あの家・・狭い上にぃ~~家族が多く・・て。それにぃ~~姉上と法師・さまぁ~~仲が良い・・のはぁ~~有り難いんですが・・ああも・・目の前でぇ~~見せ付けられると・・正直・・・目のやり場に困りますぅ~~。」
「まあ、確かにそうだな。仲睦まじいのは結構なんだが、あんだけイチャイチャされると、独り者には却って目の毒だわな。じゃあ、珊瑚が、三人目の子供を産んだ事も知らねえな。」
刀々斎の発言に驚く琥珀。
「エエッ!まっ・・また・・産まれ・たんです・・かぁ~~」
「先日、わしが、犬夜叉様の様子を窺(うかが)いに村へ寄って来たんじゃ。上の双子は女子(おなご)じゃったが、今回、珊瑚が産んだ三人目の赤ん坊は男の子じゃ。あの調子だと、まだまだ、増えるな。」
ピョ———ン、冥加が、キララから、刀々斎の肩に跳び移り、話に乗り出してきた。
「つまり、おめえは、今や、二人の姪っ子と甥っ子が一人いる叔父さんっつう訳だ。まあ、精々、頑張れや。」
すかさず、刀々斎が、合いの手を入れる。
掛け合い漫才の呼吸である。
更に畳みかけるように、冥加が、今回、判明した衝撃的事実を告げる。
「それだけではないぞ。 何とっ! かごめが戻ってきたんじゃっ! 三年ぶりに骨喰いの井戸を通って!」
「エッ!そっ、それ・・・本当ですか!」
「勿論じゃとも!実に喜ばしい事じゃっ!ウウッ・・・犬夜叉様が、この三年間、どんなに、かごめに逢いたいと待ち焦がれておられたか。意地っ張りな御方ゆえ、絶対に、そんな素振りは、お見せにならなんだが・・・・。この冥加、犬夜叉様の僕として、こんなに嬉しい事はないわい。」
感極まったのか、冥加が、グスッと涙ぐむ。
「これで、もう、犬夜叉が、一人、ポツンと寂しそうにしているのを見ずに済むな。助かったぜ。元々、あいつらは、お神酒徳利みてえに、何時も、一緒だったからな。やっぱり、二人揃ってないと調子が狂うぜ。」
刀々斎も、人知れず、犬夜叉の心配をしていたらしい。
ポツリと述懐する。
「そう・・ですか。良かったぁ~~。犬夜叉さま・・・本当に・・良かったですねぇ~。」
琥珀も、かごめの事は、随分、気になっていた。姉の珊瑚の仲間というだけではない。かごめの霊力なくして奈落と四魂の玉の消滅は有り得なかったし、何より、かごめは、敬愛する今は亡き桔梗の生まれ変わりでも在る。更に、かごめは、犬夜叉にとって誰よりも大切な恋人だった。
「残るは、殺生丸と、あの嬢ちゃんだな。」
「刀々斎よ、それは、殺生丸様が、以前、連れ歩いていた童女の“りん”の事か?」
「アア、今は、村の長老でもある巫女の楓に預けられて暮らしてるそうなんだがな。おめえ、村に寄ったついでに見掛けたんじゃねえのか?」
「りんは・・・元気・・でしたか? 冥加さま。」
琥珀も気になるのだろう。遠慮がちに尋ねてきた。
「ウムッ、村に寄った時、チラッと目にしたんだが、随分、綺麗になっておったぞ。三年前に比べると、背も、大分、伸びておってな。イヤァ~~雛には稀な美少女じゃのう。後、三年もすれば、それはそれは、見目麗しい女子(おなご)になって引く手数多(あまた)は間違いなしじゃ。」