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第十六作目『白霊山崩壊』

ザワ・・・山が、白霊山がざわめく。 
ゴオ・・・聖域の力が弱まっていく・・・・?
ボウ・・・・白霊山の結界に拒まれ、遠巻きに眺めていた桔梗の目に映った物。 
あれは!?
近い・・・白霊山から逃げ出した何かが。
近付くにつれ、それは結界に包まれた人の姿だと判ってきた。
清浄な結界。 
あの白霊山を覆っていたものと同じ。
では、これが結界の主なのか?
白霊山に目を遣れば、何と、結界が破れかけている。
邪気が漏れ出しているではないか。
・・・これは奈落の邪気。

「生前は徳を積んだ御方とお見受けする・・・」 

結界の主に桔梗は静かに問い掛けた。

「法師の次は巫女か。お前も・・・奈落を追う者か。」 

即身仏の木乃伊が答える。

「あなたの張った聖域の奥に・・・奈落は隠れていたのか?」

誰にも気付かれぬように・・・・・。

「なんだ、その目は。儂の心を見透かそうというのか。」

儂の苦しみを哀しみを・・・・・。

「見ようとせずとも・・・貴方の魂は剥きだしです。」

死人であればこそ判る貴方の哀しみ・・・・。

闇の中をさ迷い続けてきた儂の魂に囁きかけてきた奈落の言葉。

(怨んでもいいのだ・・・)

(愚かな者達が、お前を聖人と祀り上げ、土中で生き仏となる事を約束させ・・・・)

(そして、お前を孤独の暗闇に放り込んだのだ・・・)

(恨め————人間を・・・世の中を。)

「笑うか?聖人として人々を救い赦してきた儂が・・・迷い苦しんで死に————」

「そして、妖怪・奈落に魂を救われたのだ。」

誰にも見せられなかった儂の苦しみを。

「救われましたか・・・」

ならば、この哀しみは・・・?
救われたのならば・・・・結界越しに伝わってくる、この哀しみは、何なのだろう?

「儂は聖人などではなかった。絶命する寸前に、その事を思い知ったのだ。」

思い知らされた苦い苦い真実。

・・・・そこで魂が止まってしまわれたのか。 

その魂の暗闇に奈落が滑り込んできた。

だが、人を怨み邪まな奈落を守って、それが、貴方の望みだったのか?

このまま、まやかしの聖域を張り続けたところで、貴方の魂は救われはしない。

「この世に迷い無き者、一点の汚れ(けがれ)も無き者など居るのでしょうか。」

桔梗は問い掛ける。

「儂は・・・・そうあらねばならなかった。そうあろうとしていた。」

聖人として生きる苦しみ。

「私も———生前は、そうでした。迷わぬよう間違わぬよう生きようとしていた。」

巫女として。

「ふん・・・やはりな。お前も死人か。」

生者では看破出来なかったであろう儂の苦しみ。

「だから・・・少しは貴方の苦しみも判る気がする。」

共に哀しみを抱えていればこその想い。

「迷うのが人間です。だからこそ崇高でありたいと望む・・・・」

死して後に悟ったこの真理。

「儂は・・・・仏になれなかった。生への執着が儂の魂を地獄に落とした。」

即身仏白心上人の述懐。

「命を惜しみ涙する事は恥ではありません。」

桔梗の返答に上人が反応する。
シュ————

「どうか・・・せめて、この結界をお解き下さい。」

「解いてどうする?」

何をする積りだ。

「あなたの魂に・・・触れさせて頂きたい。」

「儂を鎮めようと云うのか・・死人の巫女が・・」

シュ————ザアァ・・・
即身仏の周囲を覆っていた結界が解かれた。
ザアァ・・・パチッ!
白霊山の周囲を覆う白い霧のような結界は、上人の魂がこの世に囚われている証拠なのだろうか?

「さあ、我が身の結界を解いたぞ。死人の巫女よ、お前は・・・」

・・・・無駄な事を・・・・

「我が魂を鎮め、白霊山の結界を解かせようというのだろう。だがな・・・」

闇の中に堕ちた我が心。

「生きながら埋められ、怨みと憎しみに塗れた(まみれた)・・・我が魂は救いようがないぞ。」

「元より・・・私如きに貴方の魂を救えるとは思っていない。」

そんな大それた事を。
己が身を捧げてまで人々を救おうとした貴方を私如きが救おうなど。

「唯、私は知りたい。・・・貴方が何を哀しんでおられるのか。」

この深い深い哀しみを。

「哀しみだと?」

ソッと桔梗は即身仏を抱きしめた。
上人の魂に触れる為に。

「こうして魂に触れても・・・貴方からは怨みや憎しみなど伝わってこない。」

唯々、哀しい。

(怨め———)

(怨んでもいいのだ。人間を———世の中を。)

奈落が儂に囁いた言葉。

「貴方は人間や世の中を怨んで泣いていたのではない。」

静かに伝わってくる死人の巫女の言葉。
そうだ———儂は・・・聖人として見事に入滅したかった。
・・・だが、それが叶わなかった。
儂は・・・儂は・・・知りたくなかった! 
・・・自分の弱さなど。
ウ・・ウッ・・オオッ・・・
儂は・・・己の・・心の弱さに・・・打ちのめされて・・・・泣いたのだ。
・・ア・・アァッ・・

「苦しかったのですね」

「ああ・・・苦しかった」

今、初めて吐き出される己の真実の思い。
生前は、どうあっても出せなかった人としての弱さ。

「あなたは、充分に人々に尽くしてこられた」

そんなにも苦しまねばならぬ程に。

「もう・・・もう自由におなり下さい」

闇に囚われ苦しみ続けた魂を・・・開放なさって下さい。

「・・・・・」

「いいのだろうか・・・」

上人が求め続けた魂の奥底からの赦し。

「もう・・・いいのです。」

「・・・・・・」

リン・・・・・鈴が鳴るように開放された魂。
上人が纏っていた装束のみがその場に残されていた。 
ああ・・・成仏なされたのだ・・・・
ドン! 山が!! 白霊山が!!! 
白心上人の魂が成仏すると同時に聖域が完全に消滅した。
白霊山を見守っていた全ての者にも明らかに判る、その異変! 
今こそ山が開く!!
これまで白霊山の中に封じ込められていた夥しい数の妖怪どもが一気に溢れ出してくる! 
ザアア!
ドクン・・ドクン・・・ドクン・・・・
崩壊しかけた霊廟を抜け出し回廊に戻った弥勒と珊瑚がその底に見出したのは・・・
ドクン・・・ドクン・・・・ドクン・・・・・ボウ・・・・・・

「!」

ドクン・・ドクン・・・ドクン・・・・

「奈落!」

闇の中に浮かび上がる白い顔。
忘れようにも忘れられない不倶戴天(ふぐたいてん)の仇敵、奈落。

シャッ! 風を切る風切り音。 ドガッ!

「下ばっか見てると首が落ちるぜ。」

「神楽!」

「!」

「法師様、奈落が・・・」

「いない・・・」

「この場におよんで逃げるとは・・・」

・・・・という事は、奈落の奴!!

「神楽! 奈落は未だ不完全という事だな」

「はあ?何のこった」

蓮っ葉な物云いの神楽。

「奈落が、わざわざ、この白霊山に逃げ込んだのは・・・もとはと言えば犬夜叉の赤い鉄砕牙に自分の結界を切り裂かれたから・・・」

「だから、奈落は此処で身体をを組み替えて更に強くなろうとしていた筈だ」 

次々と明るみになる事実に確信を持って神楽に問い質す弥勒。

「悪いけどな、法師。あたしは何にも知らされてねえよ。あいつは、あたしを信用してねえ」

「奈落の事なら、この神無に聞きな。喋らねえけどな」

「それでなきゃ、自分の目で確かめるこった。下に降りてな。手伝ってやるぜ!」

神楽が扇を使って風を巻き起こした。
バッ!バキッ! バキッ! 
狭い回廊の中を神楽の風神の舞いが駆け巡り支えの柱をへし折っていく。
ガラララ・・・底に落ちていく弥勒と珊瑚
一体、彼らはどうなるのか!?
その頃、聖域の結界が完全に消滅した事を確認した鋼牙と銀太、白角、かごめと七宝、キララも白霊山の中心に向かっていた。
白霊山の全ての草木が枯れ果てている。
剥き出しになった山肌。

「どうなってんだ、鋼牙! 白霊山の草木が全部、枯れてるぜ。」

銀太が驚いて鋼牙に声を掛ける。

「おおかた奈落の瘴気にやられたんだろ。」

「四魂の欠片の気配だわ。それも・・・・・」

キララに乗ったかごめが四魂の欠片の気配の在りかを教える。
七宝も一緒だ。

「二箇所から・・・山の下の方と・・・中腹の辺りから。」

「二箇所だと?」

鋼牙が問い返す。

「中腹の方が大きい塊・・・みたい。」

「奈落だな!?」

「多分・・・」

かごめの言葉に一層スピードを上げる鋼牙。

「よしっ。」

「案内しろ、かごめ!」

ゴォ~~~~
鋼牙の起こす竜巻が風切り音を響かせる。
一方、回廊から底に落ちた弥勒と珊瑚は、咄嗟に飛来骨を岩にめり込ませた珊瑚の機転で底に叩き付けられペシャンコになる事だけは免れていた。
底を覗けば夥しい妖怪どもの残骸。

「珊瑚、降りてみよう。」

有象無象の妖怪どもの数知れないほどの残骸。
やはり・・・奈落。

「奈落は、此処で身体を組み替えて・・・」 

シュ~~・・・妖怪どもの残骸の先に何かが。

「これは・・・!?」 

何なのだ!この肉の塊どもは・・・
まるで何かを生み出そうとするような。
これは、そう、出来損ないの赤ん坊のような肉の塊。
そんな不気味な肉塊が無数に散らばっているではないか・・・・!?
山の下方で熾烈な闘いを繰り広げる蛮骨と犬夜叉の死闘にもようやくケリが付こうとしていた。
犬夜叉が、蛮骨の大矛、蛮竜を掻い潜り袈裟懸けに斬り伏せたのだ。 
ザア・・・地面に倒れ付す蛮骨。
ドクン!

「!」

急に今まで地面だと思っていた物が変化した。
まるで肉壁のような弾力!
ドクン! ドクン! 
ズブズブと吸い込まれていくような感触。
ドクン! ドクン! ズズッ

「地面だけじゃねえ! 洞穴全体が、まるで・・・」

犬夜叉の云う通りだった。
ドクン!
これは巨大な肉壁そのもの!!!
何本もの太い肉の触手に絡め取られた犬夜叉と蛮骨の上半身が、上に、上方に持っていかれる。
白霊山の中心に向かっていた鋼牙とかごめ達も、山の異常を感じていた。
ドクン!・・ズズッ・・・
洞穴を走り抜けようとする鋼牙の脚が肉壁に掴まった! 
ズブズブとめり込み引き込まれていく。

「ち、畜生。何だ、これは・・・」

かごめが必死に手を掴もうとするが見る間に中に呑み込まれてしまった。
今まで岩だと思ってきた物が、触ってみれば弾力を持った肉のような感触に変わっているではないか!
・・・それも洞穴の全てが!!
・・・・何なの!?これは、一体・・・
ドクン!

「か、かごめ、おら達も喰われてしまうんじゃろうか?」

「・・・・・」

ドクン・・ドクン!!

「判らない・・・でも・・・それなら、とっくに呑み込まれているんじゃ・・・」

「と、とにかく鋼牙君を追おう。放っとけないわ。」

「え“っ。」

かごめにしがみ付く七宝。

「し、しかし、何処に埋もれたか。」

「感じるの。鋼牙君の脚の四魂の欠片・・・」

ごく微かだけど。
それが、この肉壁の中を移動して・・・
奈落の穢れた玉の気配に真っ直ぐ向かっている!
肉壁が又、変化した。
ポッ・・・ジュッ・・・肉壁から滲み出てくる液体は・・・酸!?!
このままでは・・・溶かされてしまう!! 
その時、キララがかごめと七宝を咥え走り出した。
息さえも出来なくなりそうな有毒な気体が放出されているらしい。
・・・苦しい・・シュ~~
巨大な肉の触手とも云うべき洞穴を抜け出してみれば・・・
上方に見えるのは・・・あれは?!肉塊の塊?
大きさは・・・人間の赤ん坊その物、形まで似ている・・・
でも、目も鼻も口も無い。
その出来損ないの赤ん坊の塊のような場所から聞こえてきたのは・・・
弥勒様、珊瑚ちゃん!!
じゃあ、犬夜叉は!?

「犬夜叉は一緒じゃないの!?」

「え・・・?」

・・・ドクン!・・・
ザザッ・・ザ――――何百、何千という出来損ないの赤ん坊のような肉塊が崩れ落ちていく!!
落ちそうになった珊瑚と弥勒はキララが受け止めた。
かごめは七宝が変化して乗せている。
暗い地中の底から何かが這い上がってくる。
何十本もの巨大な肉の触手が不気味に絡まりあって。
ゴボゴボゴボ・・・ザ――――――――
触手の中に犬夜叉が捕われている。
どうやら気を失っているらしい。
目を閉じているのが証拠だ。

「犬夜叉!」

「犬夜叉――――!」

かごめの叫び声に気を失っていた犬夜叉が意識を取り戻した。
ピクッ・・・金色の獣眼が開く。

「動けまい、犬夜叉・・・お前は、もう儂の腹わたに絡め取られた・・・」

ザワ・・・ドクン!

「奈落!」

「くくく、犬夜叉・・・」

闇の中に浮かび上がる奈落の白い顔、血のような瞳。

「よく此処まで辿り着いた・・・と言いたい処だが・・・もう遅い・・・もう終わりなのだ・・」

「終わりだとぉ?」

「けっ、何、寝ぼけてやがる! 終わりってのはなあ、俺がお前の咽喉元を掻き切った時だ!」

犬夜叉が噛み付く!

「奈落、覚悟!」

珊瑚が飛来骨を放つ!ギャン!!
巨大な肉の触手を飛来骨で斬り付けはしたものの、その斬り口から溢れ出すのは瘴気と酸。
ジュウ~~~
それだけではない。
あっという間に触手に叩き付けられてしまったではないか! 
バシッ!
かごめと七宝も肉の触手に囚われてしまった。
シュルル・・・グルルッ!
 
「かごめ!」

「くくく、愚かな・・・まだ判らんか。今や、この白霊山は全て・・・この奈落の身体だ。」

「即ち、貴様らは、儂の体内に居るという事・・・」

「くっ・・・」

何て事だ・・・畜生!

「か、かごめ、おら達も鋼牙みたいに喰われてしまうんじゃろうか。」

七宝が半泣きで尋ねる。

(痩せ狼が喰われた!?)

「くくく、思い上がるな・・・貴様らなど喰う価値もない。」

「か弱い小妖怪・・・犬夜叉の如き半妖・・ましてや人間など・・この奈落の力を弱めるだけ。」

「蛮骨・・・!」

奈落が触手に絡め取っているのは・・・息絶えた蛮骨の上半身。
ズズ・・・・

「くくく・・・全く・・・人間の愚かさには驚かされる。この蛮骨の如き外道ですら仲間の仇を取る為に、この場に踏みとどまり、犬夜叉、貴様に殺された。」

呆れる程の愚かさよ。

「七人隊に与えた七つの欠片・・・それを全て手に入れた時、仇討ちなど考えずに逃げれば良かったのだ。・・・なのに・・・くくく・・・人間の愚かさには反吐が出る。」

蛮骨の左腕に仕込まれた四魂の欠片が取り出される。
キィ―――ン バサ・・ガラガラ・・・
欠片が取り出されると同時に骨と化し、崩れ落ちていく蛮骨の屍。

「!」

怒りに震える犬夜叉。

「奈落! 貴様――――!」

「何を怒る、犬夜叉。蛮骨に直接、手を下したのは貴様だ。」

ドスッ! 
触手が犬夜叉の懐に潜り込んできた。 
シャッ キィ―――ン 
四魂の欠片が!!!

「くくく・・・確かに受け取ったぞ・・・四魂の玉の欠片達・・・」
ドクン!
キィ―――――――――――ン ドクン!! 
欠片が集まり一つとなり光が集まる!
ピシ! ピシ! ピシ! ザワ・・・見る間に身体が! 
奈落の新しい体が形成されていく!?!
現れたのは・・・以前とは明らかに違う・・その姿。 
硬質の鎧で覆われた上半身、両肩から突き出た角状の突起物、戦装束である陣羽織を身に纏い、背中からは三本の竜のような尻尾が!!!
球状の結界に守られ宙空に浮かぶ威容。
ゴオオオ・・・・・新生奈落が初めて目の前に出現した。

「くくく、憐れだな・・・儂に怨みを抱く貴様らが・・・やっと辿りついた時には、儂に指一本触れる事も叶わん・・・」

貴様らなどに、この奈落が倒せる筈が無いのだ、くくっ・・・・

「ふっ・・・ったく、拍子抜けさせてくれるぜ。ご丁寧に聖域なんぞに隠れてどんな凄え化け物になっているかと思えば・・・」

・・・ゴチャゴチャと余計な飾りをつけただけじゃねえか!

「犬夜叉! 気を付けろ! 奈落の妖気は、以前とは比べ物にならん程、強くなっている!」

弥勒が犬夜叉に新しい奈落の脅威的な強さについて警告を発する!
・・・しかし・・・

「妖気だと・・・? 笑わせんな、そんなもん・・・」

グググ・・・力を込めて触手を引き千切る。

「奈落の捻じ曲がった根性が・・・益々悪くなったってだけだろうが!」

ズブ! ブチブチ!!
鉄砕牙を振るい風の傷を結界の中の奈落、目がけて放つ犬夜叉。
ゴオ~~~~~ガガガ・・・

「ふっ、馬鹿め・・・」

愚か者を冷笑するように新生奈落が取った対抗手段は・・・・。
右腕の突起を瞬時に刃のように変化させ風の傷を刎ね返した。
カカッ! それだけではない!!
洞穴内を風の傷が勢いを削がれる事なく回り続けているではないか! 
ガガガ・・ガガガガ・・・

「くくく・・・犬夜叉、貴様の風の傷・・・我が妖気の渦に絡め取った。」 

ゴォ~~~~~

「風の傷は、この中で回り続ける。貴様らを細切れにするまでな。」

勝者の余裕を見せる奈落。
攻撃を受けると同時にそれを相手に返す、即ち攻守両面を成し得る恐るべき奈落の新しい身体。
犬夜叉達が必死に洞穴内で回り続ける風の傷を防いでいる最中、白霊山の麓で桔梗は山の内部に起きている妖気の異常を感じていた 
フッ・・・山から何かが飛び立った。あれは・・・?!
あれは奈落の分身・・・神楽。
――――何か・・・持っている・・・・?
ザッ キリ・・・矢をつがえ弓を射る 
バシュッ! ゴオォォ~~~~ 
外したか。

「おっと、桔梗か。」 

チャッ・・・手にした妖扇を開き反撃しようとした神楽を止めたのは。
神楽の腕の中の赤子。

「やめろ、神楽。桔梗を片付けるのは、お前じゃない・・・」

ゴオッ~~~
洞穴の中、犬夜叉達の必死な様子を高見の見物と決め込んでいた奈落。
その奈落の意識にも桔梗の事が伝わってきた。
ガガガガガ・・・・ゴオオォ~~~
ガ・ガ・・ガ・・・ゴオォ~~~~~~ガッ・・ガガッ・・・

(犬夜叉達は、此処で死ぬ・・・そして、儂は新しい体を手に入れた。残るは後一つ)

フワ・・・結界を移動させ始めた奈落を、かごめを背に負ぶった犬夜叉が追って来た。 
バッ!

「ふん、血迷ったか・・・風の傷の中に飛び出すとは・・・」

「!」

何のつもりだ?!
破魔の矢! 
バシュッ!・・ゴオォッ~~~~~
ジュッ――――――・・・ザアァ・・・・
破魔の矢が妖気を浄化したのか!?
・・・風の傷がやんだ・・・シュ―――――
奈落の結界の下方を狙った破魔の矢は過(あやま)たず命中! 
奈落の中に取り込まれかけていた鋼牙を分離させる事に成功した。 
ドロッ・・・・ズルッ・・・落ちてくる粘液の球体に包まれた鋼牙。

「くくく・・・こんな時にまで仲間の心配か・・・」 

手をかざし周囲の肉壁を崩れさせる。

ドンドドドド・・・ドド・・・崩れ落ちる肉壁 
ドドド・・・ジュ~~~溢れ出す瘴気と酸。

「せめてもの情けだ。仲間と同じ墓で眠れ」

(くくく、桔梗・・・もうすぐ会いに行くぞ)

肉壁が、周囲の何もかもが崩れ落ちていく。
ドドド・・・ドドド・・・ジュウ~~~~~~
ゴオ――――――――
ガラガラガラ・・・・ゴゴゴ――――
ドドド・・ゴオー―――――

「崩れる・・・」

犬夜叉に負ぶわれたかごめの目に映る球体が。
・・落ちていく・・・

「鋼牙君!」

球状の粘液物質に包まれた鋼牙が落下していく。 
珊瑚と弥勒は、キララに乗っている。

「犬夜叉、かごめ様、早く脱出しないと瘴気にやられる!」

弥勒が必死に呼びかける。

「ちっ、七宝!」

「何じゃ?」

「かごめを連れて先に行け!出来るな!?」

「え・・」

「でも、犬夜叉!?」

かごめが心配そうに声をかける。

「痩せ狼を助けたいんだろ!?」

「お前ら連れてちゃ、自由に動けねえ!」

「行け!!」

犬夜叉が下した咄嗟の判断。

「犬夜叉、気を付けて・・・」 

崩れ落ちてくる肉壁を避けながら上方に向かうかごめ達。
ドドドド・・・ドドド・・・ドドドッ・・・
下へ落ちていく鋼牙を目指し急ぐ犬夜叉。
・・・・・ザッ!

「散魂鉄爪!」 

ザンッ! 鋼牙を覆っていた粘液の球体が破れ鋼牙が出てきた。
ドロッ・・・ドドドド・・・尚も続く白霊山の崩壊。 
引っ切り無しに落ちてくる肉塊、溢れ出す瘴気。
早く脱出しなければ、此方の身も危ない! 
気絶している鋼牙を肩に掛け外部へと急ぐ。

「!」

「溶かされかけている・・・!?」

ヌル・・・鋼牙を掴んだ感触が!

(奈落の野郎、やっぱり・・・四魂の欠片ごと鋼牙も取り込むつもりだったのか。)

ゲホッ!鋼牙が気付いた。

「生きてやがったか、痩せ狼。」

「犬っころ・・・」

「奈落は・・・奈落は、どうした!?」

「細かい話は後だ! 此処から出るぞ!」

ゴオ‐――――――――
ドドドド・・・・・ガラガラ・・・・ガラガラガガ・・ガ・ガガ・・・
犬夜叉が辛くも鋼牙を連れて戻ってきた!

「良かった、無事で・・・」
かごめが駆け寄る。犬夜叉とかごめ、鋼牙が仲間の無事を確かめ合っていた、その時、桔梗の目の前で崩れ出した霊峰、白霊山。 
白心上人が開き人々の心の拠り所となっていた聖なる山が崩壊していく。

(白霊山が・・・崩れる!)

・・・あれほどの威容を誇った霊峰が・・・何という事だ!?
桔梗の目の前で起こっている圧倒的な質量の崩壊。
・・・これも奈落の予期した仕業か?!
ビシッ! ビシッ! ビシ! ビシ!
 
「!」 

地面が割れる! 
ゴオ―――――――――-ゴオ-――――――
何かが飛んでくる・・・あれは結界か?!
・・・・・ズウウゥン!!!
土煙を巻き起こし中から現れたのは・・・・・

「奈落・・・」

やはり、貴様か。

「くくく、桔梗・・・久し振りだな・・・」

・・・そう、人見の城から脱出して以来だな。

「奈落・・・何だ、その姿は・・・」
 
対峙する新生奈落に顔色一つ変えず問い質す桔梗。

「見て判らんか。これが、儂の新しい身体だ。」

「笑わせるな、私の目は節穴ではない。」

「その身体・・・飾り立ててはいるが、それは見せかけ・・・」

そう・・・大切な何かが欠けている。

「白霊山に逃げ込み、聖なる結界を張ってまで貴様は・・・何を出した?」

あれは何だったのだ。

「ほお、流石だな、桔梗。それに気付いたか・・・」

くくっ・・・全く気の抜けない女だな。

「山が崩れる直前・・・貴様の分身の神楽が、何かを持って白霊山から逃れた・・・」

「貴様の真の目的は何だ。」

矢をつがえ、弓を引き、奈落を詰問する死人の巫女、桔梗。

「ふっ、知りたいか。ならば教えてやろう。儂が、どうしてもやらねばならなかった事・・・」

「それは・・・」

バキバキバキッ! 
奈落が右腕の突起を刃(やいば)のように変化させた。
シャッ・・ザンッ!

「!」 

一瞬にして切り裂かれた破魔の弓。
ビイイィィィン・・・・・
その時、同時に、犬夜叉も又、異変を感じていた。 
どうしようもなく胸騒ぎがする嫌な予感を・・・・。
ゴオオオオ・・・・・・ピシッ! 
桔梗の身体が、骨と土で作られた体が、奈落の右腕の刃で斬り裂かれた。 
生身の身体であれば、肉が裂け血が噴出していただろう。 
ガクッ・・・桔梗が堪らず膝を突く。

「奈落、貴様・・・」

まさか・・・鬼蜘蛛の心が強く残る奈落に、このような暴挙が出来るとは!

「くくく油断したな、桔梗。貴様、安心しきっていたのだろう。儂が貴様を殺せる筈が無いと。」

「この奈落の中に残っていた、くだらぬ人間の心・・・野盗・鬼蜘蛛が桔梗・・・貴様を想う心」

それを・・・無くしたと言うのか。
そうか、あの時・・・神楽が持って逃げたのは・・・
鬼蜘蛛の・・人間の心・・
そうまでして断ち切りたかったのか・・・
鬼蜘蛛が持つ私への執着。

「くくく・・・こうして貴様を打ち砕いても何も感じぬ・・・」

ミシ・・又も右腕を変化させる音。
シュ――――・・・
砕かれた右肩から死魂(しにだま)が・・・力が、抜けていく・・・・・

「桔梗・・・最早、貴様を生かしておく理由は何もない・・・」

ビシビシビシ!!
ゴオ――――ジュゥ~~~~~ゴボゴボ・・・

「地割れの底には、我が瘴気が満ちている。」
 
バキバキッ!

「貴様のまがい物の身体など、ひとたまりも無い。桔梗・・・貴様の墓穴だ。」

シャッ!鎌のように振り出された触手が桔梗の胸を貫く。
ドガッ! そのまま地割れの底に・・・

(犬夜叉―――――)

落ちていく桔梗の心に去来する想い。
・・ゴオオオォォォ・・・・・

「判ったか、桔梗・・・」

(これが儂の望んでいた・・・新しい身体だ・・・)

「たかだか女一匹、片付けるのに念の入った事だな、奈落・・・」

涼しげな低い美声。
現れたのは、白銀の大妖。
この凄惨な場所にあってさえ輝きを失わぬ秀麗な容貌。
古(いにしえ)の中国に実在したと言われる斉の国王、蘭稜王(らんりょうおう)を髣髴(ほうふつ)させる程の際立つ美貌の持ち主。 
お供の小妖怪は、さしずめ主の引き立て役と言った処だろうか。

「殺生丸・・・か。」

(こっ、こいつ、殺生丸様を呼び捨てにっ! 態度がでかくなってる。)

曾ての慇懃無礼な態度とは明らかに違う横柄な口振り。
最早、取り繕う必要も無いと見て取ったか。

「貴様まで儂を追ってくるとは意外だったな・・・そんなに儂に興味があるか。」

くくっ・・・・・

「ぬかせっ! 貴様の方から、やたらとチョッカイを出してくるから・・・」

殺生丸様に対し何たる不遜なっ!

「下がれ、邪見。結界から出てきたという事は、少しはマシな力を付けてきたと言う事か・・・」

尊大な物言いにかけては右に出る者のいない殺生丸である。 
侮蔑を交えての奈落への言葉。

「試してみるか?」

挑発する奈落。 
己の力に余程、自身があるのだろう。

「ふっ。」

一呼吸おく間も与えず瞬時に抜き放たれた闘鬼神。 
ザン! ババッ!!
粉砕される奈落の身体。
しかし・・・当の本人は薄笑いを浮かべながら結界内に浮かんでいる。

「くくく・・・殺生丸・・・貴様の剣の力・・・そっくりそのまま返してくれるわ。」

奈落の妖気の渦に絡め取られた闘鬼神の剣圧が、その威力そのままに戻ってくる!
ブワッ!!ガガガガ・・・バババッ! 
返された剣圧を闘鬼神で受け止める。
謂わば、これは殺生丸自身の力。
ズ・・・一歩、押し戻される。

「・・・・」

グッ・・・力を溜めて踏み込み一気に奈落の頭部を両断する。
ザシュッ!

「くくく、無駄だ・・・儂は死なん・・・」

ザアアァ・・・・・
瘴気の渦に包まれ何処ともなく立ち去る奈落。 
ゴオオオォォォ・・・・・・・・・

(小癪な・・・この殺生丸を使って新しい身体とやらの力を試したか・・・)

奈落め・・・・。

「殺生丸・・・」

息せき切って駆けつけたのだろう。
犬夜叉が血相を変えてやって来た。

「生きていたか、犬夜叉・・・どうやら奈落は・・・お前なんぞより、余程、あの女を殺した かったようだな。」 

地割れの前に落ちている二つに切り裂かれた弓の残骸。
ゴオオォォ・・・

(桔梗の弓! 桔梗!)

犬夜叉にとって信じられない、いや、信じたくない出来事。

(奈落が・・・桔梗を殺した!?)

「桔梗・・・」

(そんな筈はねえ!!)

桔梗は言ってた。

『奈落は私を殺しきれない。鬼蜘蛛の心が・・・私を慕う心が残っている限り―――』

そう言ってたんだ!
だから・・・俺は・・・安心して・・・お前を・・・・・

「こりゃ、酷い瘴気だ。 これじゃ、あの女、助からんな」

地割れの底の凄まじい瘴気を見て邪見がつぶやく。

「あっ、殺生丸様」

白銀の大妖が、もう用は無いとばかりに踵を返す。

「待ちやがれ、殺生丸!」 

異母兄の背に浴びせかけられた犬夜叉の呼びかけ。

「てめえ・・・黙って見てたのか。 桔梗が殺されるのを・・・」

畜生・・・何で・・・何で・・・・(助けてくれなかったんだよっ!)

「・・・貴様と、あの女が、どういう拘わりか・・・知りたくもないが・・・」

・・・興味も無い。

「桔梗とやらを殺したのは奈落だ。そして・・それを助けられなかったのは、犬夜叉、お前だ」

「!」

「私に噛み付く暇があったら奈落を追う事だな」

異母兄、殺生丸の冷徹なまでの指摘。
己の甘さに打ちのめされる犬夜叉。
全ては、かごめと桔梗、どちらも捨てられない自分自身の優柔不断さが招いた事だった。

「犬夜叉・・・!」

弥勒や珊瑚、かごめ達が駆け付けてきた。
明らかに様子がおかしい犬夜叉にかごめが気付く。 
犬夜叉の足許に落ちているのは・・・・。
え・・・あれは・・・桔梗の弓。 
真っ二つに破壊された桔梗の梓弓(あずさゆみ)。

「桔梗に・・・何か・・・あったんだわ・・・」

・・・多分・・・・とても悪い事が。

「奈落の狙いは・・・桔梗の命だったんだ・・・」

無理矢理、声を絞り出すように答える犬夜叉。
桔梗の命・・・・白霊山を隠れ蓑にしてまでも奈落が葬りたかった人間の心、野盗・鬼蜘蛛の心。
桔梗を恋い慕い、焦がれ焦がれて、己の身を、魂までをも、妖怪どもに差し出した飽くなき執着。
その心が、桔梗を奈落の殺意から守ってきた。 
以前にも一度、人間の心を嫌い、切り離した事があった奈落。 
鬼蜘蛛の記憶を持った人間の心は、無双という男として甦り、再び、桔梗を求めた。
しかし、未だ、不完全であった己の妖力の為に、奈落は、再度、無双を取り込まねばならなかった。
恐ろしいまでに桔梗を欲する鬼蜘蛛の執念が無くては、己の身に取り込んだ妖怪どもを繋ぎ止めておく事が出来なかったが為に。
更なる妖力を求めて殺生丸を己の身に取り込もうと画策したものの犬夜叉に邪魔され、その上、殺生丸にまで仇として追われる身となった奈落。
そんな奈落が人見家の城館をアッサリ放棄して、目を付けたのが、白霊山であった。
聖なる結界を持つ霊峰。
己の目的の為に、闇に魂を囚われた白心上人を甘言で誑かし、邪悪なる気を、数多の妖怪を覆い隠す聖なる結界を張らせたのだ。
これ程、奈落の望みに適う場所は無かったろう。 
妖気を放つ妖怪は勿論、邪気を持つ者全てを浄化してしまう程の強力な結界。 
誰が邪気の塊りのような奈落が、聖なる結界の内に潜んでいるなどと想像し得たであろう。
身体を組み替え、作り変える為の時間稼ぎは、凶悪な七人隊なる死人集団を四魂の欠片で墓場から甦らせる事により可能となった。
並の妖怪どもでは犬夜叉の持つ鉄砕牙の風の傷に敵わない。 
だが、妖気を発しない人間ならば風の傷を怖れる必要は無い。 
ましてや死人(しびと)。 
既にこの世の生とは拘わりの無い存在。 
例え、死のうと元々死んでいる者の事など歯牙にかける必要も無い。
聖域に身を隠し、今迄以上に大幅に身体を組み替え、数多の妖怪を取り込んで作り上げたのが、今の新生奈落であった。
それと同時に夥しい数の、それこそ数え切れないほどの肉塊、あの出来損ないの赤ん坊のような物体を作り出し、人間の心を吐き出す為の器(うつわ)としたのだ。 
全ては桔梗を抹殺せんが為に。 
鬼蜘蛛の桔梗を慕う人間の心を己の中から放棄する為に。
だが、此処に、一つの疑問がある。 
何故、そうまでして奈落は人間の心を己の中から切り離す必要があったのだろうか? 
如何に霊力の高い巫女とは言え、既に死人(しびと)である。
魂は、本人の物であるが、身体は骨と土から出来た、まがい物でしかない。 
それにも拘わらず何故であろうか? 
恐らく、奈落自身も気付かない程、深く深く魂の領域にまで鬼蜘蛛の思念が影響し始めていたからではないのだろうか? 
どれほど深く封印したとは言っても、鬼蜘蛛の心は消滅した訳ではない。
それに消滅されては困るのだ。 
鬼蜘蛛の執念、飽くなき桔梗への執着こそが、奈落の体内に取り込んだ数多の妖怪どもを繋ぎ止めておくための原動力なのだから。
その人間の心を外部に放出できる状態になったという事は、即ち、奈落の心自体が鬼蜘蛛化したからではないだろうか。 
その最たる証拠が、桔梗を自らの手で殺すという行為に現れている。
人間の心を切り離し、桔梗への執着を無くしたというのなら、何も、わざわざ桔梗を殺す為だけに、犬夜叉達を放り出し馳せ参じる必要は何処にも無いではないか。
にも関わらず、奈落は敢えて自分の手で桔梗を殺す事に拘っている。 
まるで、自分が、どれ程桔梗に執着しているかを示すかのように。 
桔梗を殺す事だけならば、別に他の者にやらせても一向に構わない筈である。
つまり、新生奈落も、鬼蜘蛛と同じく桔梗に、未だ深く執着していると推測できるのである。
霊峰・白霊山の崩壊は、新生奈落の誕生と桔梗の死という出来事で終わりを告げた。
人間の心という歯止めを自ら取り払った奈落は、これから、更なる攻撃を仕掛けてくるだろう。
新生奈落の脅威的な妖力の向上は、白霊山の中の洞穴での死闘で、もう実証されている。
あの殺生丸の攻撃でさえも、平然と受け止め、尚且つ、そのまま返してきた程である。
残る四魂の欠片を巡って、犬夜叉達との死闘も一層、激しさを増す事は、既に目に見えている。
そのような危機的状況下において犬夜叉は、桔梗を失った事に衝撃を受け、平常心を失っている。
・・・・・波乱が待ち受けている。 
既に失った者を追い求める犬夜叉の心が、かごめを、今、確かに在る者の生死さえ危うくさせる事件が、間もなく起きようとしているのである。         

                                                 了                                                     

2006.8/19(土)作成◆◆

《第16作目「白霊山崩壊」についてのコメント》

この題材を選んだ時から相当長くなるだろうと思ってはいましたが・・・・。 
やっぱり長い!
最長不倒の「邪見の道中日記」には辛うじて及ばなかったものの、堂々、歴代二位の長編となりました。字数、何と一万字をオーバー(!⇔!) 
イヤ~~~我ながら良く書いたもんです。
最後の方は自分自身の考察になってしまってるけど、要は、これを書きたくて、この題材を選んだ訳で、結局詰めは、それで押し切りました。 
( これで小説と言えるのか?)
とどのつまり、奈落の桔梗への執着について書きたかったんです。

2006.8/19(土)★★★猫目石
 

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