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『貪婪なる我欲と悪行の果てに』(※18禁作品)

 


※この作品は18禁です。殺りん作品でもありません。
※申し訳ございませんが、18歳以下の方は速(すみ)やかに退避願います。
※それでも読みたいと思われる方は自己責任でお願い致します。m(__)m



貪婪(どんらん)::非常に欲の深いこと。ひどく欲張ること、また、そのさま。

我欲::自分のためだけの利益を考える心。

悪行(あくぎょう)::悪い行い。非行。

 

「クッ、どこまでも往生際の悪い男だな。だが、そろそろ年貢の納め時だ。いい加減、諦めろ」


亡国の王であった男を捕らえた死神は捕縛の縄を打ちながら声をかけた。
捕囚は生きていた頃は美麗と称えられる容貌の男だった。
だが、今や男の身体は何処(どこ)も彼処(かしこ)も焼け焦げ以前の面影はどこにもない。
まるで黒い消し炭のようだ。


「シュシ・・・シュシ・・・シュシ・・・シュシィィィィィィィィィィィ!!!!!」


しかし男は聞いてない。
只管(ひたすら)己が執着する美少年の名を呼び続ける。


「煩いな、まったく!」


ピッ、死神が指を一本立てて振った。
瞬(またた)く間に喚く男の口許を縄がグルグル巻きに縛りあげる。
男は、もうひと言も喋れなくなった。


「さて、閻魔(えんま)さまの許へ直行するか」


死神は捕縛された男を連れ昏い地の底にある冥界へと向かった。
続々と亡者の集団が冥界に引き立てられてくる。
これから犯した罪の裁きを受けるのだ。
最後に一人、さきほどの全身くまなく焼け焦げた男が連れてこられた。


男の名は来艶、生前は凪国を襲った某国の王の息子だった。
凪国、淡水界でも一・二を争う大国。
財力、国力、豊富な人材と資源、どれもが超一流の国である。
国王の愁波は淡水家直属の家臣でもある。
その凪国を無謀にも襲った某国。


とはいえ、既にその国は亡い。
凪国に滅ぼされた、いや、自滅したのだ。
余りにも愚かな所業を繰り返した末に。
来艶は某国の最後の王だった。
それも愚王の中の愚王である。


実の父を弑逆(しいぎゃく)し王位を簒奪した男。
来艶の治世は非常に短い。
ひと月にも満たない。
だが、その一月にも満たない日数の間だけでも来艶の所業は悪辣(あくらつ)極まりなかった。
為される施策は全て我欲に基づいたものばかり。
唯々、己の欲を満足させる為だけに権力を乱用し民から搾取し続けた。
もっとも、それは来艶の父である前王も同じであったが。


父親と同じ性癖をもつ来艶が王位に就くと真っ先に行ったのが『美男狩り』だった。
美女ではなく美男、来艶も、その父も筋金入りの男色家である。
しかも厄介なことに父と息子は性癖ばかりではなく性情まで似ていた。
両名ともに怖ろしく嫉妬深い性質(たち)だったのである。
男を好む余り女を憎む有り様だった。


某国では美しい女は単なる繁殖用の雌馬同然の扱いを受けたが、それはまだマシな方だった。
美しくない上に若くもない女は死ぬまで扱き使われ働けなくなった時は無人の地に放置され餓死させられたのだ。
来艶父子は己の後宮に『寵姫』として入れるために自国の美男を狩り尽くした。
美男を手に入れるために、王命によって、いくつもの街や村が兵士による突然の襲撃を受け滅ぼされた。
悪魔の所業である。
それは自国ばかりではない。
他国にまで、その魔手は及んだ。


来艶は父王が集めた寵姫(男)達をそのまま後宮に残し己の愛妾にした。
自分や部下が好きなように犯し甚振(いたぶ)るために。
そう、来艶も父王も、おぞましいことに嗜虐趣味が濃厚な変態性欲の持ち主だった。
美しい男を陵辱したうえに責め苛(さいな)むのが大好きという悪辣(あくらつ)な趣味の持ち主だったのだ。
来艶と父王は捕らえた男達を、あらゆる道具と媚薬を使って弄(もてあそ)んだ。
寵姫にされた男達は耐えがたい屈辱と羞恥を嘗(な)めさせられ男としての矜持をズタズタにされた。


それも来艶と父王だけに陵辱されるのではない。
悪趣味なことに来艶と父王は他の者が寵姫(男)を犯すことも好んだ。
己の目の前で陵辱される寵姫(男)を眺めて興奮する倒錯的趣味の持ち主なのだ。
ある時は個別に、また、ある時は部下と同時に寵姫(男)を犯し苛(さいな)み罵倒して楽しむ。
病的なまでの嗜虐趣味といえる。
そんな陵辱劇が、四六時中、某国の後宮では行われていた。
それは、さながら乱交パーティーそのものだった。
乱交、いや、そんな生やさしいものではない。
少なくとも乱交は当事者が自分の意思で参加しているケースが殆どだ。
来艶や父王、その部下達の場合は相手の意思を完全に黙殺している。
身勝手な自分達の欲望に相手を無理矢理従わせているのだ。
凶交、あるいは、狂交というべきだろう。


更に悪いことに、父王は男を寵姫にする際、必ず男に取って大切な存在、妻を、恋人を、母を、娘を捕らえ幽閉するという手段を用いた。
何故か?寵姫にされた男達の自害を防止する人質として利用する為だ。
父王は、以前、無理矢理、寵姫にした男に自殺された苦い思い出がある。
寵愛(?)する愛妾の自殺を防ぐ為に、そのような卑劣な手段を思い付いたのだ。
そんな卑劣極まりない方法を息子である来艶も踏襲した。


人質を取るだけでも残酷なのに、事もあろうに来艶と父王は寵姫(男)達を妻が恋人が娘が母が見ている目の前で陵辱したのだ。
これほど残酷な精神的拷問が他にあるだろうか。
寵姫達(男)が、王である自分にではなく、妻に恋人に娘に母に愛情を抱いていることに来艶と前王は嫉妬した。
陵辱した上に愛情まで要求するとは!
どこまで身勝手なのだろう。
極悪非道の前王と来艶、そして父子に負けず劣らずの部下達。
彼奴(きゃつ)らに憎悪を掻き立てられこそすれ愛するなど断じてありえないではないか。


まだある、幽閉された妻や恋人それに娘や母は劣悪な環境で家畜のように扱われ城内の下級兵士どもに好きなように陵辱され暴行されていた。
上層部が黙認したのだ。
父王や来艶は女に全く興味がない。
直属の部下達も似たような性癖の者ばかりだ。
だから、人質がどんな扱いを受けようが生きてさえいれば問題ないのだ。
何という悪逆無道な行為だろう。
これが人の、いや、神のすることだろうか。
来艶と前王の後宮は『酒池肉林』を文字通り地でいっていた。


あらゆる点において来艶と父王は似た者親子だった。
否、その部下も、又、同じような性癖と考えを持つものが数多く集まっていた。
『類は友を呼ぶ』、悪辣な主君は悪辣な臣民を引き寄せ多くの善良なる民を苦しめた。
心ある者は弾圧され殺害された。
あるいは男が美しければ問答無用で後宮に放り込み陵辱した後に拷問した。
そして、日々、後宮で着飾らせた寵姫達を侍らせ部下とともに陵辱の限りを尽したのだ。


来艶と前王は自国の資源を自分達の贅沢のためにのみ蕩尽(とうじん)し続けた。
そのような状況にあって、どうして国が疲弊しないことがあるだろう。
某国の国力は衰退の一途を辿(たど)った。
だが、愚王と侫臣(ねいしん)どもは自分達の非を全く顧みず繁栄する他国の富を羨(うらや)み暴挙に出た。
前王は身の程知らずにも凪国に目をつけ急襲したのだ。
勿論、卑劣な前王と上層部が正攻法で戦いを挑むはずがない。
前王と配下は禁止されているはずの神力を使って休止していた火山を人工的に爆発させ火砕流を発生させた。
火砕流、火口から噴出した岩石と火山灰、それに有毒ガスとの混合物からなる危険極まりない炎の川。
もし巻き込まれでもしたら高温の溶岩に骨まで溶かされ命はない。
そんな危険物を某国は凪国に向けて人為的に流し込んだのだ。


凪国を襲った灼熱の火砕流。
某国は火砕流で凪国を混乱に陥れ一気に首都を攻め落とす積りだった。
だが凪国では国王を始め上層部と全ての中・下部組織が持てる力の全てを駆使して国民を救おうと奔走し犠牲を最小限にとどめ某国に付け入る隙を与えなかった。
某国の姦計は実らなかった。
しかし狡猾な某国は証拠を全て隠滅し淡水家と凪国の追及を躱(かわ)し辛くも逃げおおせたのだ。
某国は証拠がないことを盾にとり『知らぬ存ぜぬ』を貫き通した。
天上知らずの厚顔無恥ぶりである。
こんな国が天から見離されるのは自明の理、もはや、滅亡は時間の問題だった。


半年前の某国の凪国への侵略、その大義名分は、勿論、『領土拡大』ではあったが、前王の真の狙いは一人の男を得ることにあった。
朱詩、大国、凪国が誇る優秀な筆頭書記官。
凪国の上層部に籍を置く高官の一人である。
現国王の愁波の軍に加わる前、朱詩は稀代の男娼として名を馳(は)せていた。
腰まで届く淡い朱色の髪に蒼色の瞳、ぬめるような白い肌、天使のように麗しく可憐な容貌。
朱詩は男でありながら女としか思えない美貌の持ち主である。
かてて加えて幼い頃から男娼として仕込まれ数多の男どもの相手をしてきた。
そうした経歴から朱詩はあらゆる性技に精通している。
所謂(いわゆる)、床上手である。
妓楼で磨かれた朱詩の『魔性の色香』は凄まじく全ての男を狂わせるとまで言われる。
天生の『男狂い』である。
その朱詩を手に入れようと前王は凪国を侵略したのだ。


だが、老いた前王の野望は果たされなかった。
王位を欲した息子の来艶に殺害されたのだ。
簒奪(さんだつ)に際し老王の腹心の部下達も殺された。
鬼畜どもに相応しい最期であった。
新王となり民衆は体制が変わるかと少しは期待したが糠(ぬか)喜びに終わった。
やはり『カエルの子はカエル』だった。
鬼畜の子は、やはり、鬼畜だったのだ。
老王の跡を継いだ息子の来艶は父親に負けず劣らずの愚王であった。
いや、それどころか、年老いた前王に比べ若い分、余計に暴力的で性質(たち)が悪かった。


来艶は種馬並みの絶倫である。
大柄な体躯に相応しく一物(いちもつ)もそれなりに立派だ。
しかし、残念なことに性技は酷くお粗末だった。
(これは、無理矢理、来艶の相手をさせられた朱詩が後に証言している)
無理もない、来艶は相手を思いやったことなど一度もない男だ。
相手あっての性交である。
怖ろしく自分本位な輩(やから)の性技が上達するはずもない。
にも関わらず来艶は己の性技に絶大なる自信を抱いていた。
滑稽というしかない。


まして男同士の場合、交接には、本来、排泄に使用する部分が使われる。
その分、異性との場合と違い充分な準備が必要となる。
もし、それを怠った場合、どうなるか。
相手に大怪我を負わせ外科手術が必要になる場合が往々にしてある。
酷い場合は死に至らしめる事さえある。
来艶が十台の少年の頃、奴は何の準備もせず前戯もなく相手を強姦していた。
そのせいで大出血を起こし死んだ者は一人や二人ではない。
余りにも度々(たびたび)死者を出す来艶を見かねた後宮付きの医師が命がけの諫言をした。
それ以後、大怪我をする者や死者が出なくなったという笑うに笑えない話がある。
来艶が如何に他者の心情を顧みない男か、お判りいただけるだろう。


冥界、閻魔大王の座す森羅殿に、某国の王と前王、その家臣達が一団となって集められた。
これから奴らに裁きが下されるのだ。
それにしても捕囚の一団には妙に不審な点があった。
奴らが捕縛されているのは当然だが、かなりの人数の者が口許を縄で縛り上げられているのだ。
閻魔大王は不思議に思い付き添ってきた死神のひとりに尋ねた。


「あ奴らは、どうして、皆、口許を縛られておるのだ?」


「ハッ、閻魔大王さま、見苦しいものをお目にかけ申し訳ございません。実は、あの者どもは例の『男狂い』に執着する者どもにございます。ここへ連行する際も『男狂い』の名を連呼しておりまして余りに煩いので御覧のような措置になった次第にございます」


「『男狂い』というと・・・あれか。凪国の・・・」


「御意」


「ふむ、成る程、死した身でありながら、尚も、その者を求めるか。凄まじい妄執だな」


よく見ると囚神どもは今も捕縛の縄を断ち切ろうと必死に身をくねらせている。
自由になれば、即、己の望む存在の許へ駆けつける積りなのだろう。
どこまでも諦めの悪い奴らである。
しかし、囚神達を縛る縄は、一見、細くとも特別製でもがけばもがくほどキツク喰い込むようになっている。
文字通りの『自縄自縛』に陥る囚神どもであった。
閻魔大王が口を開いた。


「さすれば、この者達はあれか。淡水界の大国、凪国に攻め入ろうとした某国の・・・」


閻魔大王の側に控えていた書記官が答えた。


「はい、現王と前王、その家臣どもにございます」


又しても閻魔大王が不審に思い書記官に尋ねる。


「現王はわかるが前王とは?確か、その者は、ひと月近く前に亡くなっているはず。そ奴が、何故、今頃、ここに?」


「閻魔大王さまの仰(おっしゃ)る通りにございます。前王とその配下の者どもは、本来ならば、とっくの昔に大王さまに裁かれ罰を受けているはずの分際。にも関わらず、こ奴らは浅ましくも例の『男狂い』に執着する余り死神達の追跡を躱(かわ)し幽冥界を逃げ回っておりました。己が罪を悔い神妙にお縄を頂戴することさえ出来ない。真(まこと)に唾棄すべき輩(やから)にございます」


閻魔大王が書記官の答えに頷きながら前王と配下の者どもを見遣った。


「何とも見苦しいことよな」


改めて審判の席に着座した閻魔大王が囚神どもに向かい裁きを下した。


「この者どもを神籍から除籍せよ。しかる後、元神どもを、それぞれの罪状に合わせた地獄へ送れ」


神籍からの除籍、それは即ち神としての権利、神権を剥奪されることを意味する。
閻魔大王が宣言した時点で囚神達の神としての権利は失効した。
既に神ではない、元神だ。
同時に、もう二度と神として転生することもできなくなった。
書記官が閻魔大王の裁きに対し意見を申し述べた。


「大王さま、この者どもは殆どが殺生、強盗、邪淫、飲酒、妄言(もうげん=事実・論理に合わないでたらめな言葉や主張のこと)、邪見(間違った見方、正しくない考え方)という重罪を犯したものばかりです。そればかりか中には犯持戒人(はんじかいじん=童女や比丘尼など清く聖なるものを犯す)、父母や阿羅漢(=聖人)を殺した者もおります。いっそのこと、ひとまとめにして最下層の地獄へ送るべきかと」


「そうだな。だが、その前に、まず奴らに罪を自覚させねばならん。こ奴らは未だに己が罪の深さを自覚さえしておらんのだ、爪の垢ほどもな。神でありながら、いや、元神か、醜悪なまでに肥大した自我の持ち主ばかりだ。このような者どもに罰を与えたところで、何故、罰を受けているのかさえ理解できんだろう。まして悔悛(かいしゅん)などするはずもない。まずは自分達が犯した罪の重さを納得させるのが先決であろう。この者達が己が罪を自覚した時点で地獄へ送れ」


「承知いたしました」


閻魔大王が元神達に向かい、今後、奴らの受ける処遇について重々しく告げた。


「うぬらは今から他者に為した悪行を身をもって体験するのだ。狡猾にして強欲なお前達によって為された暴行、陵辱、放火、略奪、殺害といった数々の凶悪犯罪。ああ、きさまらの場合、他国への侵略も含まれるな。好き勝手に犯され奪われ殺された者、自害を選ぶほど精神的に追い詰められた者、そういえば役に立たないからと餓死させられた者もいたな。きさまらに苦しめられた者達の怒りと悲しみ、怨み辛み、耐えがたい苦痛を実際に経験してみるがいい。そうまでしなければ、きさまらは他者の心情を理解できない身勝手極まる輩(やから)だからな」


書記官が裁きの内容を記録し署名した時点で裁判は結審した。


「ひっ・・もっ、もう・・・やめ・・・・許し・・・ぐぇっ・・」

「あっ・・あっ・・うあぁぁぁぁぁぁ・・・うぎぃっ・・ぐうっ・・・」

「ぎゃあ~~~っ! ひっひいぃ・・・あっあっ・・うあぁ・・」


男達があられもなく泣き喚いている。
ここに集められたのは来艶親子と側近を務めていた侫臣(ねいしん)どもである。
閻魔大王が裁定を下した日から来艶達は夜も日もなく獄卒(ごくそつ)達に犯されている。
誰もが股の間から夥(おびただ)しい血を流している。
中には上と下の口、両方を獄卒から責められている者もいる。
屈強な獄卒達が元神達の涙ながらの哀願を聞き入れることはない。
それどころか顔色も変えず凶悪な抽送を繰り返しながら次のように言い返す。


「煩いぞ、黙れ!きさまらは自分達が陵辱した寵姫(男)の頼みを聞いてやったことがあるのか?無いな、一度も。それどころか、うぬらは『やめてくれ、許してくれ』と泣き叫ぶ相手を嘲笑い『淫売』などと罵倒しながら更に痛め付けておったではないか。神としての尊厳も男としての矜持も全てを奪い相手を貶(おとし)めてきた。そんな輩(やから)が我らに哀願するとは片腹痛い。おい、鞭をもって来い。泣き言をいう奴を片っ端から打ち据えてやれ!」


「おうっ!」


別の獄卒が鞭を振るって元神どもを鞭打つ。


ビシッ!ビシッ!バシンッ!バシュッ!


「うぎゃあああああ・・・ひいぃぃぃっ・・・ぎゃあああああ・・・」


男どもの悲鳴が拷問部屋の中に響き渡る。
拷問を始めたばかりで泣きを入れる男達に呆れて獄卒のひとりが声をかけた。


「オイオイ、この程度で音をあげるなよ。これは、まだ、ほんの小手調べだぞ。きさまらが寵姫(男)達にした仕打ちに比べれば、まだまだ生温いわ。これから蝋燭責めに針打ち、縄責め、水責め、木馬責めとタップリ責め抜いてくれる。オッと忘れておった、媚薬を忘れてはいかんな。きさまらは寵姫(男)達に薬を盛って身体の自由を奪い辱めるのが大好きだったよな。喜べ、拷問の際も、きさまらには媚薬を使ったうえで特大の張り形を入れてやる。ダラダラと涎(よだれ)と体液を垂れ流して淫らによがり狂う卑猥な様(ざま)をジックリと鑑賞してやろう。せいぜい良い声で啼いてくれよ。アァ、後腔が裂けるだと。安心しろ、裂けても直ぐに治してやる。例え苦痛にのた打ち回って死んでも生き返らせてやる、何度でもな。それに拷問はこれだけではないぞ。きさまらは後で溶岩の煮えたぎる火山の火口に投げ込まれる予定だ。そうだ、きさまらが凪国に流し込んだ火砕流の代わりにな。怖ろしいか?だがな、おまえらの仕業で火砕流に呑まれて死んだ者が大勢いるのだ。是非とも、それを直(じか)に体験してもらわんとな。生きたままユックリと溶けていく。凄まじい苦痛と恐怖だろうよ。それを何度も何度も繰り返す。『助けてくれ』だと。諦めるんだな、これも、きさまらの悪行が招いた報(むく)いだ。悪因は悪果を生じる。生前の己の悪行を弥(いや)ってほど後悔するんだな」


貪婪なまでの我欲に従い悪辣なる所業を繰り返した某国の王であった来艶と父。
そして、それを諌めるどころか煽り助長さえした側近達。
奴らは犯した罪に相応しい罰を受けた。
今も地獄では来艶達の阿鼻叫喚が聞こえるという。


           了


2011.5/11.(水).作成   ◆◆猫目石

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