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静と動

冥道残月破
「テレプシコーラ」と「ムーン」、共にバレエ漫画です。
「テレプシコーラ」の作者はベテランの山岸涼子先生。
この方は、以前にも名作「アラベスク」というバレエ漫画を物しておられます。
一方、『ムーン』の作者は曽田正人先生、この方は、もう直ぐ公開される映画『シャカリキ』の原作者です。
他に『め組の大吾』や現在『ムーン』と同時連載中の作品は「カペタ」。
バリバリの男性向き漫画を描いておられます。



この両作品、同じバレエ漫画でありながら、全くタイプが違います。
例えるなら、“静と動”。
作画自体も、山岸涼子先生の絵は、女性らしく繊細な細い線で丁寧に描かれてます。
一方、曽田正人先生の作画は男性らしく、非常に力強く、見る者を惹き込むような魔力があります。



同じ女性が主人公なのですが、ヒロインの性格も環境も全く違います。
(当然ですね
どちらも第一部が終了して、二部がスタートしたばかりの作品です。
「テレプシコーラ」は、作品名がそのままですが、『ムーン』の方は、第一部の作品名は『昴(すばる)』。
主人公、昴(すばる)の名前が、作品名となっています。
「テレプシコーラ」が、どちらかと云うとバレエの解説的な部分が多いのに対し、「ムーン」は主人公の心理描写が主体です。



管理人は、両方の作品のファンですが、主人公に感情移入しやすい点で「ムーン」に一票を投じます。
何と云うか、見てるだけで作品に、そのまま惹き込まれていくのです。
巻き込まれると云うべきかも知れません。
それに、主人公の昴の盲目のパートナー、ニコ・アスマーが凄く素敵なんです。



両作品を“静と動”、イエ、“水と炎”と言い換えるべきかも。
“氷と炎”が、本来なら使用すべき表現でしょうが、「テレプシコーラ」には氷のような冷たさは感じませんから。
丁度、水のようにスーッと馴染む感じが有ります。
それに対して、「ムーン」は、主人公、昴の炎のような情熱が、そのまま伝わってくるような作品です。


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