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秋の長雨に色々と考察


原作の連載中、『犬夜叉』ファンの方ならば誰もが犬夜叉が桔梗とかごめの間で右往左往するのにイライラしたのではないでしょうか
かくいう管理人も、犬夜叉の優柔不断な態度に一度ならず何度も苛(いら)ついた覚えが有ります。
でも、原作が終了した現在、犬夜叉は選びたくても選べなかったのだと結論づけて納得してます。


まず、桔梗、彼女と犬夜叉が出会って恋仲になった処から『犬夜叉』という物語は始まりました。
イエ、実際には、そこに、桔梗に恋焦がれた夜盗の鬼蜘蛛と四魂の玉が絡んだ時点で物語が始まります。
奈落(鬼蜘蛛+妖怪ども)の姦計によって命を落とした桔梗、一方の犬夜叉は桔梗によって五十年の封印。
何をさて置いても、まず、この犬夜叉の封印を解かなければ物語が展開していきません。
そして、桔梗の封印は桔梗本人でなければ解けない代物のようです。


だからこそ、かごめが、遥か五百年後の未来から呼び寄せられました。
同時に桔梗の死によって失われた四魂の玉を戦国時代に戻す為にも。
かごめは桔梗の生まれ変わりです。
だからこそ体内に四魂の玉を持っていました。
四魂の玉の方は、虎視眈々と、それを狙っていた百足上臈(むかでじょうろう)にかごめが襲われた際、かごめの脇腹から出てきます。
結果、見事、犬夜叉の封印は、かごめによって解かれました。
ついでに百足上臈も犬夜叉によって成敗されました。


それ以後、順調に二人が仲良くなっていけば、ありきたりの話で終わってしまうのですが、流石、高橋先生、そんな捻りのない物語展開はさせない。
亡者(もうじゃ)の桔梗を、鬼女、裏陶(うらすえ)の鬼術によって甦らせました。
(コレ、コレ、この措置によって物語は、一層、複雑に面白くなっていくのです。)
しかし、既に、その魂はかごめに転生しているので体は甦っても魂の蛻(もぬけ)の殻。


そこへ転生した魂の持ち主、かごめが、ノコノコやってきてくれました。
もっけの幸い、裏陶は、かごめから魂を抜き取り桔梗に移し変えようとします。
裏陶の企みは、ある程度は成功します。
かごめの魂の殆どは、かごめに戻りましたが、怨みの部分のみ桔梗の中に取り込まれました。
だから、甦(よみがえ)った当初の桔梗の怨みは凄まじい。
五十年前、恋しい犬夜叉に裏切られたと思い込んで死んでますから無理もないけど。


その犬夜叉が目の前にいるんです。
怨みがブワッとせり上がって殺してやりたいと思ったとしても桔梗を責められません。
然も、当の犬夜叉自身、封印から覚めて間が無い時期です。
(ここが頗(すこぶ)る重要な点です
他の人達に取っては五十年も昔の過去の出来事です。
当時のことを知る者は少なく既に風化しかかっていると云っても過言ではありません。
でも、封印されていた犬夜叉に取って、その時間は存在しない。
悲劇は,つい今しがた起きたばかり出来事なんです。
惨劇の記憶は余りにも生々しく迫ってくるのです。
この時間感覚のズレが犬夜叉の感情を推察するにあたって非常に重要になってきます。


更に犬夜叉自身、桔梗に裏切られたと思い込んでます。
しかし、甦った桔梗と話してみて、初めて両者の認識が、話が食い違っていることに気付く犬夜叉と桔梗の妹の楓。
そこから浮上してくる夜盗の鬼蜘蛛という想像したこともない思いがけない存在。
そして、弥勒と知り合うことによって奈落の存在も判明します。
珊瑚との出会いによって四魂の玉が如何にして生み出されたのかも解明されます。
桔梗に懸想した鬼蜘蛛と、その劣情を利用した妖怪どもが合体して誕生した奈落と数百年前の巫女の翠子に思いを寄せた男とその思慕を利用した妖怪達が合体した融合体。
似てます、似てます、そっくりそのまま過去の再現です。
四魂の玉の誕生に纏(まつ)わる因縁が複雑に絡み合い新たなる因縁を生み出し又しても繰り返される因果。


二重三重に絡みつく因果を思う時、高橋先生が桔梗を恋慕う夜盗につけた鬼蜘蛛なる名前の絶妙なネーミングセンスに舌を巻きます。
複雑に絡み合い縺(もつ)れあう切ろうとしても切れない因果の糸。
これぞ正しく蜘蛛の糸のようです。
それに、鬼蜘蛛、いやさ、奈落自身でさえ、自縄自縛(じじょうじばく)に陥ってます。
桔梗に対する執着なくして妖怪どもを纏めることは出来ず、白霊山にて、遂に、忌まわしい人間の心を排出できたと思ったのも束の間、又しても、再度、取り込む羽目になるのですから。
桔梗への想い(=鬼蜘蛛)は奈落に取って不可分の要素となっていたようです。
最後は桔梗への思慕の念を抱いて死出の旅路についたのですから。
やり方は完全に間違っていたにしても純愛と呼ぶに相応しい一途さです。


そんな奈落(=鬼蜘蛛)に愛された桔梗は過去世の存在。
対するに、かごめは現世、イエ、五百年後の未来から呼び寄せられたのだから未来世というべきでしょうか
過去の桔梗と未来のかごめ、そんな風に考えると犬夜叉が、何故、どちらか一方を選べなかったのかが良く判ります。
考えてみて下さい、桔梗を否定するのは過去を否定することです。
過去なくして現在は存在しない。
同じようにに現在・未来を体現するかごめを否定することも出来ません。
だからこそ、犬夜叉は選べないんです。
というか選んじゃいけないんです


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