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『二人の巫女③』★11万打記念作品&最終回萌え作品②

「とにかく、そんな経緯(いきさつ)があって以来、りんを虐めようとする悪餓鬼は誰も居らん。あんな保護者が付いていてはな。下手にチョッカイ掛けたら、どんな目に遭わされるやら。」

「本当にそうね。それに、りんちゃんを虐めたら、楓ばあちゃんや犬夜叉、それに珊瑚ちゃんや弥勒さまが黙ってないだろうし。フフッ、りんちゃん、保護者が一杯で幸せね。」

「何しろ、あの兄殿から預かった大切な娘だ。何か、間違いでもあっては大変だからな。」

「それはそうと、ねえ、楓ばあちゃん、その衝立(ついたて)に掛かっている着物。それって、さっき、話に出てきた殺生丸から、りんちゃんへのプレゼント?」

かごめが、衣桁(いこう)に掛かっている、村の者が着るには上品過ぎる着物を、指差して云った。

「プレ・・・ゼント? かごめ、それは、どういう意味の言葉なのだ?」

「アッ、いけない。エッ・・・と、そうね、コッチの言葉に言い換えると『贈り物』または『貢ぎ物』かな?」

「『貢ぎ物』か。フム、云いえて妙だな。お主の察し通り、あれは、つい先日、兄殿が、りんに持ってきた新しい着物だ。」

「フ~~ン、一見、地味だけど、よくよく見ると凄く凝ったデザインだわ。生地も上等だし、流石は、殺生丸。良い処のお坊ちゃまなだけ有るわね。」

かごめが、その着物を手に取って手触りの良さを確かめていると、楓が、慌てて注意を寄こした。

「手に取るくらいなら良いが、羽織ったりしてはならんぞ、かごめ! トンデモナイ目に遭うからな。」

「エエッ! 楓ばあちゃん、それって、どういう意味なの!?!」

かごめが、手にした着物を、慌てて衣桁(いこう)に掛けなおす。

「兄殿が、りんに贈った品物はな・・・・全て、呪(しゅ)が掛けられているのだ。チョッと手に取るくらいなら、どうって事はないが。りん以外の者が、その品を使おうとしたが最後、掛けられた呪(しゅ)が発動して途轍もない衝撃を受けるようになっておるらしい。実はな、以前、りんの豪華な持ち物を羨んだ馬鹿な村の女が、わしらの目を掠めて、着物を自分の家に持ち帰った事が有ったのだ。前々から手癖が悪いと評判の女でな。盗んだ着物を家で羽織ってみたらしい。そうしたら、その女、村中に響き渡るような怖ろしい悲鳴を上げおって。何事かと、皆が、その場に駆け付けてみたら、よっぽど怖ろしい物でも見たのか、その女、盗んだ着物を纏ったまま、完全に白目を剥いて気を失っておったのだ。そうした事があってから、この村には、りんの物に手を出そうなどという不届き者は、誰一人として居らんのだよ。」

「ハア~~~ッ、凄い! 完璧な保険が掛けられてる訳ね。それにしても、殺生丸って、やる事なす事、そつが無いって云うか、驚いちゃうわ。『用意周到』って言葉が、ピッタリじゃない!」

「確かに。犬夜叉に比べると兄殿は先々にまで目端が利くようだな。だから、その分、犬夜叉と違って『誤魔化し』が、一切、利かん。全く、気が抜けん。兄殿に掛かれば、口先だけの輩など即座に見破ってしまうだろうて。」

「そうね、殺生丸を騙すのって容易じゃないわよね。何度か、奈落とも手を結んだように見えたけど、相手の話に乗ったように見えて、その実、自分の思うようにしか動かないんだもん。」

「頑固な処も犬夜叉とソックリのようだしな。」

「ウ~~ン、そうね、犬夜叉も言い出したら聞かないけど、殺生丸にも、そういう処が有るわね。頑固に鉄砕牙を諦めようとしなかったし。ねえ、楓ばあちゃん、こうして、色々、話してると・・・犬夜叉と殺生丸って凄く似てるんじゃない?」

「似てるのさ、兄弟だけあって本質的な処が。当人達は、絶対に、その事を認めようとはせんだろうがな。」

「それはそう、確かに。ねえ、楓ばあちゃん、この家の隣に小屋が建ってるけど、あれは何に使ってるの?三年前には無かったわよね。」

それを聞いた楓が、徐(おもむろ)に立ち上がり、無言で、かごめに、付いてくるように促した。
『???』と思いつつ、指示通りに、かごめが付いて行くと、楓が、その小屋に取り付けられている観音開きの戸を開け、中に入るように手で指図をした。
小屋の中に入ったかごめが、そこで見た物は・・・・。

                         2008.7/21(月)公開◆◆

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