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かごめ日記④



この画像はパタパタあにめ館からお借りしました。
http://www.pata2.jp/

チャプッ チャプッ チャプチャプッ チャプッ チャプッ

かごめは紙を梳く~~~♪

ヘイヘイホ~~~♪

ヘイヘイホ~~~♪

いや~ん、つい『与作』の替え歌うたっちゃった。
だってピッタリの気分なんだもん。
とにかく、あたしは紙を梳いて梳いて梳きまくるわ。
目指せ、紙梳き職人!


う~~ん、紙梳きって結構むずかしいのね。
簡単そうにみえるけど、これって紙の繊維を均等に枠内に散らばす必要があるの。
でないと、ある部分にだけ繊維がたまって厚みが均等にならないのよ。
ということは、すくった液を前後に滑るように揺すって動かさないと。
それを何度も何度も繰り返す必要があるの。

そ~~れ、そ~~れ。

チャプ チャプ チャプッ チャプッ

セッセッセ~~のヨ~~イとな。

うん、やっぱりそうだ。
コツをつかまないと上手くできないわ。
以前、アッチで和紙の紙梳きを見学した時は簡単そうにみえたんだけどなあ。
ん~~実際にやってみないとわかんないものね。


ふぅ~~~やっと一枚だけ梳けたあ。
まだまだよ、頑張ろう。
今、盥(たらい)の中にある分だけでも梳いてしまわなくっちゃ!
お昼に始めたんだけど、これ、暗くなるまえに終われるかなあ?
はあ?、暗くなったら明かりをつければいい???
ダメ、ダメ、ダメというより無理。
それは現代ならばの話でしょ。
戦国時代は陽が出てから暮れるまでが活動時間なの。


暗くなったらどうするって?
ご飯たべたら後は寝るしかないの。
だから、夜に作業なんて絶対に無理!
大体、照明器具がないんだもん。
夜はね、真っ暗が普通なの。
満月の晩は明るいけどね。
半月より大きければ結構明るい。
でも細い三日月ていどじゃね、暗いわよお。


朔(=新月、月のない晩)の晩なんて完全に闇の世界よ。
おまけに朔の日は犬夜叉が人間になっちゃうから余計に危ないわ。
妖力を失うから爪も牙もなくなっちゃうし力も人間並みになっちゃうの。
白銀の髪は黒髪になっちゃうし犬耳だって人間の耳になっちゃうのよ。
初めてみた時は本当に驚いたわ。
人間になった犬夜叉は少しヤンチャだけど凛々しい男の子だった。
ドキっとするくらい素敵だったわ。
あら、やだ、なに云わせるのよ。
恥ずかしいじゃない!
バシッ!(力まかせ)
だから朔の晩はしっかり戸締まりするの。


村には基本的に囲炉裏の火しかないもんね。
そりゃあ、御大尽の家なら油に火をともして使うこともあるけど。
この時代、油って凄く貴重だから滅多に使えないのよ。
だから夜遊びに慣れた現代人には辛いかもね。
テレビも携帯電話もパソコンもないから、勿論、ゲームなんてできっこないし。
そもそも電気が使えないんだもん。
どうしようもないでしょ。
あたし? あたしはコッチにいた経験があるから慣れてるわ。
そりゃあ、戻った当初は少しだけ戸惑ったけど。


はあ~~やっと・・全部、梳きおわったあ。
う~~~腕が疲れたよお。
さあて何枚梳けたかな?
ひい・ふう・み・よう、あ~~~まどろっこしい。
やっぱり自分のやり方で数えよう。
1・2・3・4・5・6・7・・・・
ええ~~~っ、たったの十八枚なの!?
あっ、あんなに手間暇かけて・・・十八枚。


くうっ、がっかりしてる暇はないのよ、かごめ!
まだ和紙作りの最終工程が終わってないんだから。
梳き終わった和紙は重石を載せて余分な水分を更に取り除く。
それから一枚、一枚、板というか平らな所に貼って天日で乾かのす。
幸い好天に恵まれ作業は順調に進んでいった。
そして三日後、ついに念願の和紙は完成した。


やった! やった! やったわ~~~っ!
ついに和紙ができたのよお~~~。
かっ、感動~~~。
はあ~~テンションあがるわ~~~。
この手触りは紛れもなく和紙だわ。
ちょっとあちこち厚みが違うけど、そこは全くの素人ってことで勘弁して。
来年はもっと綺麗な和紙を梳いてみせるから。
とにかく、これでママ達に手紙が書けるうぅぅっ!


でも、十八枚しかないから全部使うわけにはいかないわよね。
御札に使う分は分けておかないと。
となると、そうねえ、手紙に十枚もらって楓ばあちゃんに八枚あげよう。
御札に使ってもらうの。
きっと喜んでくれるわ。
よしっ、来年も頑張って和紙をつくるぞ。
今度はもっと沢山の枚数ができるよう工夫しよう。
コウゾも増やさなくっちゃね。


というより、これから村の人にも手伝ってもらって和紙作りを続けていこうと思うの。
どうしてかっていうと手紙は勿論だけど御札作りにも和紙は絶対に必要だもんね。
自給自足できるならいうことないでしょ。
それに和紙って貴重品だから量産すれば村の特産品になると思うの。
そうすれば他の物品と交換できるわ。
いわゆる物々交換ってやつよ。
この時代、貨幣経済が発達してないからね。
だから、欲しい物があったら和紙と交換してもらうの。


あら、別に戦国時代に貨幣がなかったわけじゃないのよ。
中国のお金である宋銭とか明銭が流通してたそうだから。
でも流通してたのは主に京の都を中心にした近畿地方、つまり西日本ね。
特に九州の豪商たち、ほら有名な博多商人なんかが使ってたそうよ。
当時の博多、いまでいう福岡はアジアと直接貿易をして巨万の富を得ていたから。
だからね、この武蔵の国、東日本に属する関東地方の田舎に貨幣は流通していません。
というか貨幣があったとしても通用しないってのが本当のところかな。
だって、この村の人達って、きっと貨幣をみた経験がないと思うのよ。
そういう人達にお金を理解しろっていう方が無理じゃない?


※⑤に続く

 

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