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『かごめ日記』⑧


※この画像は『妖ノ恋』さまの了解をえて公開しております。

そういえば、あたしが村に戻って半年ぐらいたった頃、妖怪が村を襲ったことがあったわ。
なんていったっけ、あの妖怪?
ね、ね、根っこ・・・そうだ、根の首よ。
地下に根をはりながら人の養分を吸い取る性質(たち)の悪い妖怪だったわ。
あの妖怪は、昔、桔梗が塚に封じたんだって。
まだ犬夜叉と出逢う前のことだって楓婆ちゃんが教えてくれたわ。
それでなのね、犬夜叉が根の首を知らなかったのは。


根の首が復活したのは山崩れで塚が壊れたせいだった。
復活した途端、根の首は片っ端から周囲の人を襲いはじめたわ。
襲われた人は養分をみんな吸いとられて骨だけの骸(むくろ)になっちゃうの。
しかも首を持ち去るのよ。
グロイわ、エグイわ、悪趣味だわ。
首ってことは頭、頭部のことよね。
それって『逆髪の結羅』を思い出させない?


あれっ、覚えてないかな?
ほら、あたしが犬夜叉と出逢って間がない頃、襲ってきた妖怪よ。
見た目はナイスバディの可愛い女の子なんだけど、やることなすこと凄くエグかった。
四魂の欠片目当てに村の人を操って楓婆ちゃんを襲わせ大怪我させたの。
あたしと犬夜叉も襲われたのよ。
当時の犬夜叉は、まだ鉄砕牙をもってなかったから結羅には相当手こずったわ。
あたしとの仲もうまくいってなかったしね。
結羅の得物は死人の髪、それを操って敵を倒すの。
だから、髪を集めるために人を殺して頭を収集してたの。
ねっ、根の首とよく似てるでしょ。


それでね、根の首ってば、自分が封印されてから五十年以上たってるのを知らないの。
まあ、長い間、塚に封じられてたから仕方ないんだけどね。
だからって、あたしと桔梗を間違えて襲うなんて失礼しちゃうわ。
おまけに未だに四魂の玉があると思い込んで奪いにきたのよ。
馬鹿みたいでしょ、四魂の玉なんて、もうとっくに消滅してこの世に無いのに。
すっごく時代遅れというか傍(はた)迷惑な妖怪だったわ。


犬夜叉と弥勒さまは妖怪退治の仕事から帰るなり楓婆ちゃんの処に直行。
大事な話があるとかで三人でゴニョゴニョ相談してたわ。
あたしとりんちゃん、珊瑚ちゃんと子供達は弥勒さまの家で待機してたの。
そうしたら、お約束通りに根の首が襲ってくるじゃない。
勿論、珊瑚ちゃんが応戦したわ。
あの程度の雑魚妖怪、飛来骨の一撃で粉砕よ。
でも根が素早く地中にもぐったの。
まだ生きてる。
なんてしぶとい奴なの。


そこへ騒ぎを聞きつけた犬夜叉と弥勒さまが慌てて駆けつけてきたわ。
もう事情を隠しておけないと踏んだんでしょうね。
弥勒さまが一連の騒動について説明してくれたの。
もうっ、何でそんな大事なことを隠すのかしら。
いくら桔梗が関係してるからって。
犬夜叉ってば気にしすぎ!


このまま根の首を放置すれば村の人まで犠牲になりかねないわ。
あたしは以前のように犬夜叉に負ぶわれて根の首を捜しにでた。
りんちゃんと珊瑚ちゃん達は、そのまま家の中に。
というのも根の首の目的は四魂の玉と桔梗への復讐。
なら絶対にあたしを狙ってくる。
ここから離れたほうがいいと判断したの。


やっぱり襲ってきたわ、あいつ。
村のあちこちに根の首が出没、村の人が犠牲になるところだったわ。
でもね、幸い、琥珀くんが雲母(きらら)に乗って加勢してくれたの。
珊瑚ちゃんや弥勒さまも応戦。
でも、根が相手だけにキリがないの。
斬っても斬っても生えてくる。
土の中でドンドン増えてるのよ。
なんてしつこい奴なの。


これじゃ本体を叩かないといつまでも埒(らち)が明かない。
そう思ってたら破魔矢が!
楓婆ちゃんが桔梗の破魔矢を撃ってくれたの。
破魔矢が落ちた場所に反応して逃げる根の首。
逃がすもんですか!
追いかけようとしたあたしの足元から値の首が!
あたしを喰い殺そうと大きな口をあけて襲ってきた。
でも、間一髪、犬夜叉があたしを救出。
そのまま攻態勢にうつったわ。


やっと本体をあらわした根の首。
グロテスクだったわよ~~~
大小の目玉がアチコチについた巨大な根っこの化け物だったわ。
一番大きな目玉の周囲には刈り取った頭がぶら下ってて。
大きな口には鋭い歯というか牙がズラッと並んでた。

「四魂の玉ごと喰ってやる~~~」

なんて喚いて大口をあける根の首。
あたしは破魔矢を、犬夜叉が鉄際牙で風の傷をお見舞いしてやった。
風の傷で破壊され、あたしの破魔矢で浄化され、根の首は跡形もなく消滅していった。


ふうっ、これで無事解決。
うん、久し振りの妖怪退治だったわ。
でも、犬夜叉ってば桔梗のことを隠すなんて。
ちょっと心外。
もっと信用してほしいわね。
だからね、あれをいったの。

「おすわり」

地面に叩きつけられた犬夜叉。
ふふっ、あれいうのも久々。
凄く懐かしかったわ。


※⑨に続く

 

 



 


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